写真=Getty Images

リオ五輪へ意欲を燃やす一方で、来シーズンの去就は未定

スパーズのエマニュエル・ジノビリが、現役引退か続行かで揺れる胸中を『La Nacion』に寄稿したコラムで吐露した。

この7月下旬に39歳になる大ベテランは、ティム・ダンカンとともに去就が注目されている。「当面の目標はリオ五輪」と前置きしつつ、来シーズンについては「グレッグ・ポポビッチ、ダンカン、それにチームメートと話をしてから考えたい」と言う。「あと1年プレーする可能性はある。でも今は、どうするか分からない。とにかく、自分が必要と思うだけの時間を使って考えたい」

2月に睾丸の手術を受けて長期離脱するなど、14年目のシーズンは満身創痍の状態で戦い抜くものとなった。ジノビリは、「少しだけリラックスする」と体を休ませると同時に、五輪での金メダル獲得に向け間もなく始動するようだ。

「今年は、もう一つの目標がある。頭を整理させないといけないのは分かっているが、オリンピックについて考えないわけにはいかない。少しばかりリラックスして、どういうシーズンだったかを振り返り、ケガの後で体がどういう状態かを把握したい。これから数日はジムにも行かないし、シュート練習も、ランニングもしない。でも、時が来たら、トレーナー、フィジカルセラピストとトレーニングを始めるよ。リオ五輪という目標に向けてね」

ジノビリにとってオリンピックは特別な価値を持つ大会だ。2004年のアテネ五輪では準決勝でアメリカ、決勝でイタリアを破り金メダルを獲得し、大会MVPに選ばれている。続く2004-05シーズンは自身2度目のNBA制覇を果たし、キャリア最高の一年となっている。2008年の北京五輪では銅メダル。この時はケガをしていたにもかかわらず五輪に強行出場し、続くNBAでのシーズンに大きな影響を及ぼした。

2012年のロンドン五輪は3位決定戦で敗れメダル獲得ならず。この時も五輪に合わせたことでスパーズでのプレーに悪い影響が出ており、ジノビリはアルゼンチン代表としばらく距離を置いていた。2014年のワールドカップには参加せず、リオ五輪の予選を兼ねる2015年のFIBAアメリカ選手権にも出場していない。

だが、今年3月になってアルゼンチン・バスケットボール連盟がジノビリのリオ五輪参戦を発表。コンディションに不安を抱えてはいても、五輪への強い気持ちは抑え切れなかったということだろう。

大ベテラン、ジノビリの長い夏が始まる。

2004年のアテネ五輪、ジノビリは金メダルを獲得し、大会MVPにも輝いた。