ペイサーズの金銭的な優位は消滅、来夏の移籍が濃厚に
ポール・ジョージのレイカーズ移籍という噂は、もはや既成事実のように報じられている。現段階でペイサーズが今夏のエース放出に踏み切るかどうかは定かではないが、流れは着実にエース流出の方向に傾き始めている。
この流れを決定付けたのが、先週発表されたオールNBAチームの結果だ。
ジョージはファーストチーム、セカンドチーム、サードチームのいずれにも選出されず、7月1日から効力を発揮する新たな労使協定で認められた『特定選手』になる資格を満たせなかった。もしオールNBAチームに選出され、この資格を得ていたら、ペイサーズは今夏ジョージに最大で5年2億1000万ドル(約234億円)の超大型契約を提示できたのだ。これだけのオファーであれば、ジョージは気分良く新契約にサインできただろう。
だが、オールNBAチーム落選という結果により、ペイサーズがジョージと契約更新するという未来はほぼ消滅した。ペイサーズにとっては、このまま契約最終年をプレーしてもらうか、1年前倒しでこの夏にトレードに出すかという選択肢が残った。
ただ、トレードの駒としての扱いは難しい。ジョージはもしトレードで別のチームに行ったとしても、来年夏にはフリーエージェントとなり、移籍先で契約延長をする保証がない。
こうなると、ジョージの地元であり、相思相愛と言われているレイカーズの距離はぐっと近付く……はずなのだが、レイカーズは今年のドラフト全体2位指名権を獲得し、即戦力のルーキーを指名できる立場になった。この1年でルーク・ウォルトンが築いた土台を強化し、有望な若手にもう1年経験を積ませたところで、来夏にフリーエージェントになったジョージを迎え入れればいい。つまり、今夏に何らかの代償を払ってジョージをトレードで獲得する必要がないのだ。
本来オールNBAチームに入って然るべき実力の持ち主にもかかわらず、現代のNBAのタレントレベルは史上最高クラスにあるため、ジョージに限らず落選したトップ選手は少なくない。ジョージにとってはペイサーズにキャリアを捧げるのが一番幸せな道(一番多くの報酬を得られる道)だったのだろうが、もはや終わったこと。
これは地元ロサンゼルスに戻り、コービー・ブライアントの後を継げというお告げなのかもしれない。スーパーマックス契約締結の機会を逃した今、ジョージは何を思っているのだろうか。
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— Indiana Pacers (@Pacers) 2017年5月16日