
「チームとして良い流れに持っていけることを大切に」
12月1日、男子日本代表は『FIBAワールドカップ2027アジア地区予選』Window1のゲーム2、チャイニーズ・タイペイとのアウェーゲームに臨む。
11月28日にホームで行われたチャイニーズ・タイペイとのゲーム1で日本は、出だしから相手を圧倒し90-64で圧勝した。ここで2連勝できれば、中国、韓国を加えた1次ラウンドのグループBにおいて、少なくとも上位3チームが進出できる2次ラウンド行きに大きく前進する。逆にチャイニーズ・タイペイにとっては、日本相手に連敗となれば早くもワールドカップ予選敗退の可能性が高まり、今日の試合は当然のようにすべてを出し尽くす強い覚悟を持って臨んでくる。
今回の代表メンバーにおいて誰よりもアジアの厳しさを知る富樫勇樹は「みんなわかっていますが、チャイニーズ・タイペイの会場の雰囲気はすごいものがあります」と警戒する。また、大前提としてゲーム1の得点差ほど、日本とチャイニーズ・タイペイに実力差はないと気を引き締める。「前回、あれだけの点差で勝ったことで良いイメージを持ちすぎて軽く入ると、かなり難しい試合になると思います。そもそも、前回の試合内容に関係なく、(このアウェーゲームは)タフな展開になるということを頭に入れて臨まないといけないです」
Window1の司令塔陣は富樫に加え、久しぶりの代表復帰となった安藤誓哉、齋藤拓実の3人で構成されている。ゲーム1はベンチスタートとなった富樫は、自身の役割について「河村(勇輝)選手がいた時も控えでプレーをしていたので、今までとあまり変わらない気はします」と語る。打つべきタイミングではしっかりと打ち切ることのできる富樫は、「『自分が』というより、ある程度は周りの選手に任せながらやっているイメージです。30分プレーする訳ではないですし、自分が出ている時間帯はチームとして良い流れに持っていけることを大切にしています」と、いかにチームオフェンスをうまく機能させるかに注力している。
ゲーム1の日本は、ベスト8入りを逃す厳しい結果に終わった今夏の『FIBAアジアカップ2025』のモヤモヤ感を払拭するプレーを披露。富樫は「アジアカップの時と比べると、オフェンス、ディフェンスともに自分たちの持ち味を生かすことができました。チームの雰囲気も含め、良い方向に向いていると思います」と語る。
そして、ポイントガードとビッグマンの2メンゲームにこだわることなく、5人全員がオフェンスにからみテンポ良くボールが回っている今のスタイルについて「むしろ初期のトムさんの形に戻っている感じで、僕個人としてはやりやすい部分がはあります」と好感触を得ている。
リベンジを目指し序盤から激しいプレーで来るであろうチャイニーズ・タイペイ相手に、富樫にはいつも通りの冷静なプレーで日本代表に落ち着きを与えることで、勝利へと導いてもらいたい。