【ウインターカップ2025】福岡大学附属大濠にエナジーを与える2年生コンビ、櫻井照大＆本田蕗以「完全燃焼で優勝を」

今年の福岡大学附属大濠では、3年生を中心とする結束力の下で、イキの良い下級生が思い切り良くプレーしている。櫻井照大と本田蕗以はともに四日市メリノール学院中の出身で、2年生ながら主力を任され、少々ヤンチャな部分も持ち味としてチームにエナジーをもたらす2年生コンビだ。去年も1年生ながら優勝に貢献した2人は、この1年でさらにステップアップして、2度目のウインターカップに臨む。

「まだ足りていない部分が多いので頑張らないと」

──2人とも四日市メリノール学院出身の2年生ですね。まずは自己紹介をお願いします。

櫻井　三重県出身の櫻井照大です。小学校1年生からバスケを始めて、メリノール学院中から大濠に来ました。得意なプレーはディフェンスからのトランジションです。中学の時から大濠を見てきて、私生活の部分をちゃんとすることでバスケも強い、私生活とバスケが繋がっているところがカッコ良いと思いました。強いチームなのは間違いないのですが、コート外の部分であこがれがありました。

本田　長崎県出身の本田蕗以です。得意なプレーはドライブです。大きくて能力のある選手たちがディフェンスとか走るバスケで頑張る姿を見て「大濠に行きたい」と思うようになりました。

──大濠の先輩であこがれた選手はいますか。

櫻井　一番見ていたのは岩下准平さんです。同じポジションですし、僕が中2の時のウインターカップでのプレーが本当にすごくて、動画をいっぱい見て見習っていました。

本田　湧川颯斗さんです。ディフェンスもできるし外のシュートもドライブからののフィニッシュも上手で、大きくて何でもできる選手ということであこがれました。

──本田選手は湧川選手も着けていた大濠のエースナンバー、14番を託されました。

本田　まだ足りていない部分が多いので、これから頑張らないといけないです（笑）。

──お互いの良いところを教えてください。

櫻井　バスケの話にしよう。私生活はちょっと（笑）。蕗以は190cmの高さだけじゃなく身体能力がすごくあって、リム付近でのフィニッシュ力はもちろんジャンプシュートや3ポイントシュートもオールラウンドに全部できます。その一つひとつのプレーがしっかりと力強いのが長所だと思います。苦手と言うか、今まさに頑張っているのがディフェンス。頑張って当たろうとする意欲は伝わってきますが、まだ甘い部分が出ることがあります。

本田　照大は自分で点数を取りに行けるし、僕とバスケをしている期間が長いのもあると思いますが、僕の欲しいところでパスをくれる、自分のやりたいプレー、得意なプレーができるようなタイミングでパスをくれます。ディフェンスも上手くて相手のエースを抑えてくれるし、シュートを決めきれなかった時にリバウンドで繋いでくれたり、良いところが多いです。

櫻井　気持ち良いねえ（笑）。

──U18日清食品トップリーグの解説で、OBの湧川裕斗選手が櫻井選手のプレーを見て「視野が広い」と絶賛していました。

櫻井　本当ですか？仲良くしてもらっていますが、いつも褒めてくれないです（笑）。

「これはもっと頑張らなきゃダメだぞと気付きました」

──ウインターカップの県予選で福岡第一に負けて、2週間後にU18日清食品トップリーグの試合でリベンジしました。この期間にどんな取り組みをしてきましたか。

本田　県予選で負けたのは気持ちの部分で受け身になってしまったのが一番大きいです。片峯先生からも話がありましたが、3年生も含めて全員の覚悟が足りませんでした。

櫻井　福岡第一のディフェンスの強度に圧倒されてしまって、攻め気を出せずに守りに入ってしまいました。練習から全員が福岡第一ぐらいの強度でハードワークしないといけない、試合で急に福岡第一の強度と渡り合うことはできないという話をされて、練習の質から高めていくようにしました。

本田　負けてからの2週間は気持ちの部分を入れ直そうと、覚悟を決めてチームで団結したので、トップリーグでは良い試合ができたんじゃないかと思います。

──本田選手はU18日清食品トップリーグの得点王になりました。この1年、というか数カ月で急成長していますが、何か変わったところはありますか。

本田　インターハイで八王子学園八王子に負けた時に、自分の攻め気や責任感のなさ、練習とか日頃の行動の積み重ねが足りていないことを自覚して、その時では遅かったと思うんですけど、「これはもっと頑張らなきゃダメだぞ」と気付きました。そこから自主練の量とか質を上げていって、今から思うと練習中にちょっとサボっていたようなこともしっかりやるように意識してきました。やっぱり自分の強みはドライブであり、点を取ることで、それがチームを引っ張っていける一番の力だと思っていたので、トップリーグでは得点を強く意識するようにしていました。

──練習でどんなことを変えたか、具体的に教えてもらえますか。

本田　朝練でシューティングをするんですけど、今まではゆっくり来てタラタラ打っていた時があったので、来る時間を早めたし、1本1本のシュートを試合を意識して、動きの中で打ってみたり、ミートの足を意識したり、そうやって質も高めていきました。それでシュートも入るようになったし、試合でできることが増えて、その分また新しい課題が見付かったり、最近は練習も試合もバスケがすごく楽しくなっています。

──櫻井選手から見ても、本田選手の変化は感じられますか。

櫻井　インターハイからは何も言われなくてもシュートを2本連続で外したら走ったり、シュート1本1本を大切にする姿勢が目に見えて分かるようになりました。

「プレーでチームに貢献することで恩返ししたい」

──櫻井選手はインターハイ後にどんな取り組みをしてきましたか。

櫻井　蕗以や（白谷柱誠）ジャックのようなウイング陣が点を取ってくれるので、僕はオフェンスよりもディフェンスに力を入れました。ガードである僕が最初にボールマンに当たるので、まずはそこの強度を上げることです。僕はガードの中では身長が高い方なので、それを生かしてディフェンスリバウンドを取ってプッシュしたり、みんながやりたいわけではない仕事を自分がやろうと思いました。

──櫻井選手のそんな取り組みを、本田選手はどう見ていましたか。

本田　夏までは練習が終わったらすぐ帰ったりしていましたが、ちゃんと残って自主練するようになったし、シューティングも他の選手が上がった後も残っていたり、そういう部分は変わったと思います。

櫻井　僕はやっぱりインターハイであまりプレータイムがもらえなくて、自分に一番足りていないのはシュートだと感じたし、シュートが入るようになればオフェンスの攻め方も増えるので、足りない部分を徹底的に直していこうと思いました。

──そんな取り組みの成果を見せるのがウインターカップです。意気込みを聞かせてください。

櫻井　僕たちは1年生で先輩たちに一番良い景色を見せてもらいました。メインコートでの経験値は他のどのチームよりも多いので、他のチームは緊張するかもしれないところを、僕たちは自信を持って、去年の経験を生かして戦いたいです。

本田　去年の大会で、優勝するチームの雰囲気はどんなものかを知ることができました。今回もみんなを巻き込みながら良い雰囲気を作っていくのは、去年ベンチに入らせてもらった恩返しだと思っています。

櫻井　去年は先輩たちに良い景色を見せてもらったので、今年は自分たちが3年生に良い景色を見せてあげられるぐらい、2年生がチームを引っ張るつもりでやっていきます。僕は今まで3年生にたくさん迷惑をかけてきて、私生活で恩返しはちょっと難しいので、プレーでチームに貢献することで恩返ししたいです。

本田　インターハイではベスト8で、力を出し切れないまま終わってしまいました。ウインターカップでは完全燃焼で優勝できるように頑張ります。