飼い殺し、あるいはトレードの駒に使われる可能性を危惧
NBAドラフト2017の指名権が決まるNBAドラフトロッタリー開催が目前に迫っている。通常のケースならば、前年シーズンで最低勝率を記録したチームが最も全体1位指名権を獲得する確率が高いのだが、今年は趣が異なる。
今回、リーグ最低勝率を記録したのはネッツで、全体1位指名権を獲得する可能性は25%。だがネッツは、2013年にポール・ピアース、ケビン・ガーネットらを含む大型トレードを成立させた際の条件により、今年の1巡目指名権をセルティックスに譲渡する約束になっている。そのため、仮に1位指名権を引き当てたとしても権利はセルティックスに移行するというわけだ。
もしそうなれば、新たな問題が発生する。
今シーズン東カンファレンス1位でプレーオフに進出したセルティックスには、各ポジションに有力な選手が揃っている。ドラフトは、チーム再建を目指す下位チームがフランチャイズを背負って立つスター候補生を指名するのが常だが、仮に全米ナンバーワンという評価を得ている選手がセルティックスに入団しても、即先発起用というのは考え難い。むしろベンチからの出場に限定され、伸び盛りの時期に十分なプレータイムを得られない可能性の方が高い。
これはセルティックスにとっても都合が悪い。そのため、1位指名権を獲得すれば、他チームから主力をトレードで獲得するための交換材料に使うだろう。それを知ってか、今年の上位指名候補が有力視されている選手たちの代理人は、クライアントである選手をセルティックスのワークアウトに参加させたがらないと、『ESPN』が伝えた。
代理人からすれば、自分の選手がみすみすトレード要員になる事態は避けたいもの。それでも選手にとって『全体1位指名』は最高の名誉であるため、今年のドラフトは一筋縄ではいかない。ロッタリーの結果により、セルティックスは6月22日のドラフト当日までに様々な戦略を練る。上位指名候補選手の代理人もまた、クライアントである選手たちにとってベストな行き先から指名されるよう、例年より水面下での動きが活発化しそうだ。