馬瓜ステファニー

接戦の終盤、勝負強さの違いが出てフランスに惜敗

3人制バスケットボール『3×3』のワールドカップが6月18日、オランダのアムステルダムで開幕した。大会2日目は女子の日本代表が登場。フランス、スイスと対戦した。

初戦の相手はフランス。日本は伊集南が放った2ポイントシュートが外れるも、オフェンスリバウンドを取った栗林未和がそのまま得点に繋ぎ先制する。しかしフランスの高さとスピードを生かしたプレーに対応できない。リバウンドが取れない展開でイージーなミスが生まれ、フランスにリードを許す。

それでも試合が進む中で、馬瓜ステファニーのドライブや伊集のリバウンドで流れをつかむ。馬瓜のフリースローで7-7と追いつくと、その後は互いにハードなディフェンスを見せ、得点が伸びない膠着状態となる。

同点で迎えた残り12秒、フランスに2ポイントシュートを決められ12-14と突き放される。まだチャンスは残っていたが、ここでリスタートのボールをスティールされる痛恨のミス。フランスにボールをキープされて残り時間が過ぎ、12-14で初戦を落とした。

女子日本代表

終盤にスイスの猛反撃を浴びて支えきれず逆転負け

フランス戦の試合終了から約3時間後に行われた第2戦の相手はスイス。伊集の「自分たちのバスケットをやろう」という掛け声で試合はスタートした。宮下希保がドライブで相手ディフェンスを引きつけ、フリースローラインで待つ馬瓜へパス、そこに逆サイドから飛び込む栗林に繋ぐオフェンスの連携が見られる。惜しくも得点には繋がらなかったが、フランス戦とは違って自分たちのリズムで試合に入ることに成功した。

馬瓜がショットクロック1.5秒からのリスタートでドライブからの得点を奪うと、相手のレイアップをブロックして会場に歓声を巻き起こす。伊集と馬瓜のドライブに苦しんだ相手のチームファウルが7になったこともあり、フリースローでも得点を加えて、日本が14-9とリードする。

ところが、残り3分からスイスの猛反撃を浴びる。捨て身で放つ2ポイントシュートを3本決められ一気に差を詰められると、フリースローで逆転を許す。宮下が2ポイントシュートを決め返して再び逆転するも、スイスのパワープレーを止められずに20-20の同点に。日本はスペーシングを上手に使い、パスを回して攻め続けるもリングに嫌われて、相手をノックアウトする得点を決めることができない。残り26秒で放たれた2ポイントシュートを決められ、20-22で敗れた。

伊集南

伊集「このまま終わるわけにはいきません」

伊集はこの2つの惜敗をこう振り返る。「敗因は力の差というよりも、気持ちの弱さや、それによるちょっとしたミスの積み重なりなどから相手にペースを与えてしまったことだと思いますが、今日は本当に勝つことの難しさを痛感させられた一日でした」

ただ、3人制の日本代表は成長途中のチーム。グループリーグ突破が厳しくなったとしても、負けや失敗から学びを得て、次に繋げることも必要になる。試合の入り方と締め方は、最も重要な部分。そこを残る2試合で改善できるかは非常に大事。伊集も残り2試合を消化試合とするつもりはなく、「今後のことを考えても、このまま終わるわけにはいきません」と意気込む。

「アジアで戦えた自信もありますし、世界を見ても十分戦える力は持っていると思います。今大会は何があっても私たち4人で戦うわけですから、今日の敗戦は敗戦として切り替えて、4人でもう一度、明後日の試合に向かっていきたい」

日本時間の21日深夜にはオーストラリア、アンドラとの試合が控えている。日本らしい3人制のバスケットを遂行することで、少しでも多くの成果を持ち帰ってもらいたい。