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攻守に渡るフル回転にバトラーとウェイドも脱帽

プレーオフ1回戦、東カンファレンス1位のセルティックスはブルズを相手にまさかの連敗スタートとなったが、接戦となった第5戦に競り勝ち、これで3勝2敗と勝ち抜けに王手をかけた。

この試合のヒーローはアイザイア・トーマスと同じく24得点を記録したエイブリー・ブラッドリーだ。普段は守備の貢献が大きいブラッドリーは、この日も本業の守備でまず奮闘。セルティックス指揮官のブラッド・スティーブンズは「バトラーもウェイドも付くのが本当に大変な相手なのに、ベストを尽くして守ってくれた」とその働きを称える。

ブラッドリーが主にマークするのはジミー・バトラー。レギュラーシーズン平均23.9得点、特に第4戦では33得点と散々にやられたブルズのエースを、ブラッドリーは14点に抑え込んだ。

終盤まで点差が広がらない接戦となったこの試合、勝敗を分けたのはフリースローだった。17本中14本を決めたブルズに対し、セルティックスは23本のフリースローすべてを成功させている。バトラーは前の試合では23本のフリースローを獲得していた(うち19本成功)が、この試合ではフリースローをわずか1本しかもらえなかった。これはブラッドリーの粘り強い守備によるもの。すっかりリズムを崩したバトラーは、この1本のフリースローさえも落としている。

「絶対にファウルトラブルになっちゃいけないというのが一つ。もう一つはフリースローラインより内側にバトラーを入れさせないことを心掛けた」とブラッドリーは振り返る。バトラーは「今日はマッチアップに勝てなかった」と完敗を認めている。

もっとも、守備よりも攻撃の貢献のほうがインパクトは大きい。敗れたブルズのドウェイン・ウェイドは「ディフェンスがうまいのは誰もが知っているけど、今回は彼のオフェンスにやられた。彼に24点取られたのが痛手だった」と、接戦でしぶとく得点を積み上げた『伏兵』を称えた。

ブラッドリーは「いつもよりほんの少しだけど、積極的に攻めたつもり。得点が求められる試合展開だったからね」と自らの『ゴールラッシュ』を振り返る。

レギュラーシーズンのブラッドリーは平均得点が16.3。自らの得点を8積み上げたのに加え、バトラーの得点を10減らしているのだから、セルティックスが勝つのも当然だろう。

4月29日に行われる第6戦でセルティックスが押し切るか、それともブルズが踏み留まるか。いずれにしても、ブラッドリーの攻守の働きに注目だ。