第29節の『BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK』が発表された。選出された5つの得点シーンを振り返る。

第5位 野口大介(北海道vsA東京)
第3クォーター残り2.2秒スローインの場面。A東京ディフェンスはダニエル・ミラーのインサイド、折茂武彦のキャッチ&シュートを警戒する。野口をマークするザック・バランスキーはミラーのケアを考え、出足が遅れる。そのわずかな遅れによりスペースが空き、野口が放った3ポイントシュートが決まった。ボールを出した松島良豪の目線はインサイドを向いたままで、その目線によりバランスキーはインサイドに寄らざるを得なかった。松島の隠れた好プレー。

第4位 中山拓哉(秋田vs栃木)
田臥勇太を抜き去り、トミー・ブレントンのブロックを回避して決めた中山のダブルクラッチ。田臥をかわす際に態勢を崩すが、すぐさま上体を立て直すボディバランスの良さ、ブレントンのチェックを考慮しリバースに持っていった判断力、そして長い滞空時間を生み出すジャンプ力が噛み合ったタフショット。

第3位 ジェフリー・パーマー(横浜vs新潟)
3ポイントラインで山田謙治のパスを受けたパーマーがリングにアタック。ゴール下に待ち受けるのは、リーグ3位のブロックショット数を誇るクリント・チャップマン。勢いに乗った状態で突っ込むパーマーはチャップマンのブロックを空中でかわし、ファウルを獲得。さらに体をひねった半身の態勢から、柔らかく冷静にシュートも沈めた。ボーナスショットも決めて、3点プレーとなったバスケット・カウント。

第2位 広瀬健太→アイラ・ブラウン(SR渋谷vs川崎)
広瀬からのパスをそのまま叩き込んだブラウンの超絶アリウープ。広瀬にボールが渡った時点で、まだ3ポイントラインの手前にいたにもかかわらず、ブラウンは手を挙げアリウープの合図を送る。ライアン・スパングラーをカウンターで抜いた広瀬にはシュートの選択肢もあったが、溜めを作ってゴール前へふわりとしたパスを送る。ゴール下にいた藤井祐眞、栗原貴宏、そして味方のロバート・サクレさえもボールの受け手は分からない。パスミスだと思った瞬間、後方から猛然とブラウンが飛び込んできた。阿吽の呼吸がもたらしたスーパーアリウープ。

第1位 中山拓哉(秋田vs栃木)
中山が第4位に続きノミネート、説明不要のロングシュート。第1クォーター残り2秒、橋本晃佑のフリースロー直後の場面。素早いリスタートからボールを受けた中山は、あきらめずにゴールを狙う。リングに届かせるために勢いをつけてボールをリリースする。しっかりとしたフォロースルーから放たれたボールは長い滞空時間を経てリングに吸い込まれた。最後に見せた控えめな笑顔がさらに印象を良くする。