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何度突き放しても食らい付かれる展開が終盤まで続く

東カンファレンス3位のラプターズと6位のバックスの第2戦。ホームで戦うラプターズはほとんどの時間帯でリードしていたが、決して楽な展開ではなかった。バックスはヤニス・アデトクンボを中心に粘りを見せ、何度突き放しても食らい付く。

こうなると追われる側は苦しいもの。第1戦で終盤に一気に流れをもって行かれての逆転負けを喫していたこともあり、ラプターズに余裕はなかった。

84-83で迎えた最終クォーター、開始とともにラプターズが走る。高速パスの連続でズレを作り出し、サージ・イバカの3ポイントシュート、コリー・ジョセフのドライブレイアップ、そしてイバカの連続となる3ポイントシュートが決まる。バックスはたまらずフル・タイムアウトで流れを切ろうとするが、再開のスローインを出せずに5秒バイオレーション。このミスを逃さず、ペイントを攻めたイバーカのキックアウトを受けたPJ・タッカーが3ポイントシュートを沈め、11-0のランでリードを2桁に広げた。

それでも『逆転のバックス』はあきらめない。マルコム・ブログドンがタフショットをねじ込んで第4クォーター最初の得点を挙げると、ここから攻守を引き締める。ボールに食らい付くディフェンスでターンオーバーを誘ったマシュー・デラベドーバが、攻めに回れば思い切った3ポイントシュートを沈めて反撃開始。リバウンドを押さえてそのまま持ち上がったアデトクンボからソン・メイカーへのアリウープが決まり、流れはバックスに傾いた。

エースのアデトクンボはタッカーの激しいマークを受け、必ずしもシュートタッチが良かったわけではないが、強さを生かしてボールを収め、厚みのある攻撃を演出。デラベドーバがボールをプッシュし、どこからでもシュートを打てるオフェンスで追い上げた。そして残り2分、アデトクンボが正面から放った3ポイントシュートが決まり、100-100の同点に追い付く。

デローザンとラウリーが『主役』の仕事を果たす

ラプターズにとっては最悪の流れ。しかし、ここでビッグショットを決めたのがデマー・デローザンだった。バックス守備網の外から個人技で一瞬のズレを作り出したエースが、難しいジャンプシュートを沈めて再びリードを奪う。

その後、リバウンドを奪ったアデトクンボに走られたシーンでは、チーム一丸のディフェンスでシュートまで持ち込ませなかった。残り1分を切って、成功させれば決定打となったであろうフリースローをタッカーが2本落とすミスもあったが、ラプターズは集中を乱さない。

そして残り24秒から時間をじっくり使った攻め。デローザンが切り込もうとするも突破できず、そこから展開してイバカを経由してカイル・ラウリーにパスが渡る。そのラウリーがブログドンのチェック越しにステップバック・ジャンパーを決めて点差が4に広がり、勝負アリ。

試合後、ラウリーは最後のシュートをこう振り返っている。「本来はデマーが点を取りに行くプレーだった。彼がチームのエースだから。でも相手選手2人にマークされていて、俺たちを信じてボールを託してくれた。サージからパスを受けた俺は、自分の得意なスポットに入ることだけを考えたよ。ショットクロックも残り5秒だったから、自分が得意な位置を取りたかった。幸いにも良い位置から打つことができた」

背後からのバックスのプレッシャーに耐え続け、勝負どころで力を発揮したラプターズが106-100で勝利し、通算成績を1勝1敗としている。