「僕はまだ数字を伸ばすことができる」
現地12月6日のスパーズ戦で、キングスのデマー・デローザンはキャリア通算得点を2万4000点に乗せた。これはNBA史上30人目、現役では6人目の記録となる。
今シーズンからデローザンがプレーするキングスの指揮官、マイク・ブラウンは「とんでもない数字だが、彼と一緒に日々を過ごすことで、なぜ彼がこの数字に到達したかが分かる」
古巣スパーズを相手に140-113と快勝を収めた試合での記録達成は、デローザンにとって大きな喜びだった。「どんな記録であれ、偉大な数字に到達するのは素晴らしいものだ。このリーグの歴史を考えれば、30番目というのはすごい記録だし、僕はまだ数字を伸ばすことができる。常に謙虚でありたいと思うけど、我ながらこんな記録を残せるなんて想像もしていなかったよ」
現役選手で彼の前にいるのは、レブロン・ジェームズ、ステフィン・カリー、ケビン・デュラント、ラッセル・ウェストブルック、ジェームズ・ハーデンという錚々たる顔ぶれ。「バスケ界に名を残した偉大な選手と肩を並べる日が来るとはね」とデローザンは笑った。
ラプターズで9シーズン、スパーズとブルズでそれぞれ3シーズンを過ごし、今シーズンからキングスでプレーするデローザンは、もう35歳になっているが、もともと身体能力や瞬発力で勝負するタイプではなく、年齢を重ねるごとにそのスキルと判断力は研ぎ澄まされ、衰える気配がない。
キングスはディアロン・フォックスとドマンタス・サボニスを長く中心に据える『完成されたチーム』だが、ここに今夏に加わったデローザンはそのバスケに自然に溶け込み、自分らしいパフォーマンスでチームに貢献している。過去には不本意な移籍もあったが、その経験が新しい環境に馴染む困難を打ち消しているようだ。
フォックスはデローザンに心酔し、彼から多くを学ぼうとしている。「デマーはすべてを簡単にやってのける。3ポイントシュートをほとんど打たない選手だったのに、今はそのスタイルをすっかり自分のものにしているよね」とフォックスは語る。
キングスはデローザンをブルズとスパーズを含む3チーム間トレードで獲得し、3年7600万ドル(約110億円)の契約を結んだ。35歳の選手にこの大型契約を与えるのはかなり難しい判断だが、フロントは迷わなかった。その賭けは、少なくとも今のところ成功していると言える。マイク・ブラウン体制でフォックスとサボニスを中核に据えたチーム作りは、ある程度の成熟に達した。このコアをキープしつつもう一つ壁を突き抜けるには、デローザンの力が必要不可欠となる。