セブンティシクサーズ

写真=Getty Images

プレーオフでの球団新記録となる145点でネッツを粉砕

65-64で迎えたハーフタイム、セブンティシクサーズ指揮官のブレット・ブラウンは、怒りに震えていた。ホームでの第1戦を落とし、第2戦でも立ち上がりこそ自分たちのペースに持ち込みながら、追い上げられてリードをほとんど失った前半を終え、選手たちに猛烈な檄を飛ばした。

辛辣な表現も多々あったらしく、強心臓のジミー・バトラーが「驚いた」と表現したほど、ブラウンの怒りは頂点に達していた。この叱咤によりシクサーズは後半から別人のようなプレーを見せ、第3クォーターには51得点を記録。これは、レイカーズが1962年3月31日のピストンズ戦の第4クォーターに記録した得点と並び、プレーオフでの1クォーターでの最多得点記録。

この猛攻で勝負を決めたシクサーズが、プレーオフでの球団新記録となる145点をあげて勝利し、対戦成績を1勝1敗のイーブンに戻した。

左ひざの負傷を抱えながらも強行出場したジョエル・エンビードは、21分の出場で23得点10リバウンドを記録し、勝利に貢献した。勝負を決めて第3クォーター、開始から連続7点を決めたエンビードは「チームメートのためにプレーした。チームには自分が必要と感じる時があって、痛みを我慢してでもプレーして、チームのためにできることをしたいと思ったんだ」とコメント。

エンビードは、第4クォーターに左足首を痛めてベンチに下がったが、本人が問題ないと話すなど、第3戦にも出場できると見られている。

第1戦では、不甲斐ないプレーに苛立ったホームのファンからブーイングを受けたシクサーズだったが、この日は観客の後押しを受け、シリーズをタイに戻した。プレーオフでキャリア2度目のトリプル・ダブル(18得点10リバウンド12アシスト)をマークしたベン・シモンズは「前の試合が終わってから、ブーイングのことは頭にあったよ」と語った。

「自分はコートに立てば全力を尽くしてプレーしている。それをファンのみんなも分かってくれているし、今日の試合で証明できた。自分が毎試合で見せているハッスルは、チームメートや家族のためだけではなくて、この街のためでもあるんだ」

第3戦からは、ブルックリンに場所を移して行われる。次戦も、一筋縄ではいかない試合になりそうだ。