文=泉誠一 写真=(C)NBA

ヘッドコーチ交代や五輪についてブラッドリーが語る

ウィザーズの若きエースであるブラッドリー・ビールが初来日。20年来、ウィザーズを愛してきた筆者が、さらなる多くの日本人ファンを獲得すべく、ブラッドリーに協力してもらいながら、ウィザーズの現状や将来性をお伝えする。

プレーオフを逃した不甲斐ない今シーズンが終わるとともに、ヘッドコーチ交代が発表された。チーム再建のためとはいえ、選手やスタッフが去ることはいつも寂しいが、一つのチームを応援するファンにとっては宿命でもある。ランディ・ウィットマンが去り、新たにスコット・ブルックスが来シーズンの指揮官となることはポジティブに捉えたい。

「もうすでにコーチに会って、話もしたよ。彼の持ってる信念には素晴らしい部分があった。コーチングもそうだが、選手の育成についてはすごくチームにプラスになると期待しているよ」

月並みではあるが、今シーズンのこの悔しさを糧に、新ヘッドコーチの下でさらなる努力をし、まずはプレーオフに返り咲いてもらいたい。勝てなかったチームこそ、明るい未来が待っているはずだ。

ブラッドリー「アメリカ代表に選ばれたい」

現段階では、NBAチャンピオンであり世界一となったウォリアーズのスプラッシュブラザーズ(ステファン・カリー&クレイ・トンプソン)が世界最高峰のバックコートコンビであることは認めざるを得ない。だが、ジョン・ウォール&ブラッドリー・ビールの爆発力あるウィザーズのバックコート陣も魅力的である。スプラッシュブラザーズとの違いを聞けば、「結果を出さなければ認められない。さらに、勝ったとしても僕とジョンの2人がしっかり貢献することこそが必要になる」と冷静に分析するブラッドリー。

「勝つことで注目も集まるし、ファンも盛り上げてくれる。そうなれば僕らと一緒にプレーしたい選手も増えてくる。そのために何よりも勝つことが大事。結果を出して、自分たちの方が優れていることを示していくことだ」

ウィザーズにとって、リーグ制覇は毎シーズンの目標だが、ジョン&ブラッドリーが「世界最高のバックコート陣」として認められるのは今夏かもしれない。

「オリンピックは素晴らしい機会だし、しっかりそこで活躍できるようにして、自分自身の成長にもつなげたい。何よりもアメリカ代表に選ばれたいんだ。でも、そこに集まる候補選手たちはNBAを代表する素晴らしい選手たちばかりであり、選ばれるのはとってもタフなこと。そこには激しい競争がある」

アメリカ代表候補にジョン&ブラッドリーは入っている。競争に打ち勝ち、2人ともロスター入りし、リオ五輪での活躍を期待したい。ブラッドリーは今年23歳になる。ジョンも26歳とまだまだ若い。2020年の東京五輪の時こそ、脂の乗った時期を迎える2人だ。さあ、これからリーグを背負って立つ逸材が揃っているウィザーズに注目したくなってきてはいないか?

チームメートのジョン・ウォールとともにリオ五輪出場の可能性があるビール。