失速も指揮官は余裕「競争心と向上心に満足している」
サンズは8勝1敗と素晴らしいスタートを切った後、ケビン・デュラントとブラッドリー・ビールが相次いで戦線離脱してから1勝6敗と失速してしまった。デュラントとビールが揃って欠場した直近の5試合は5連敗で、9勝7敗といまだ貯金はあるものの、チームが機能しているとは言えない。
デビン・ブッカーは平均24.1得点と好調で、ティンバーウルブズ戦では44得点、ニックス戦では33得点を挙げているが、それも勝利には繋がらなかった。ロイス・オニールにユスフ・ヌルキッチ、タイアス・ジョーンズにグレイソン・アレン、ジョシュ・オコーギーといったロールプレーヤーはそれなりに持ち味を発揮しており、ライアン・ダンは即戦力ルーキーとして活躍しているが、接戦の終盤で『違いを見せる』ことのできるタレントを欠いているのが現状だ。
現地11月20日のニックス戦では122-138で敗れた。第1クォーターに28-44と16点差を付けられ、その後は常に2桁のビハインドという展開だから、スコア以上の完敗だった。まだシーズン序盤で慌てる必要はないとは言え、インシーズン・トーナメントではグループステージ敗退の危機に瀕している。
いずれにせよ、ケガ人を出しながら9日間で7試合を戦ったチームには休息が必要だ。このニックス戦の後、次のレイカーズ戦までには中5日と余裕がある。指揮官マイク・ブーデンフォルツァーは「スケジュールが発表された時には日程の偏りが気に入らなかったが、今のチームにとってこの5日間は助かる。有効活用してチームを立て直したい」と語る。
負けが続いているとしても、チームの戦いぶりに不満はないと指揮官は言う。「イライラする試合もあったが、チームに競争心と向上心があるのは良いことだ。このリーグは過酷で、負けるのは誰しも嫌いだが、それでも戦い抜かなければならない。まだまだ改善すべきことは多いが、チームのメンタリティには満足している。勝っていても負けていても、私が重視するのはそこだ」
デュラントとビール不在のこの時期のオフェンスを支えるブッカーも「この5日間はみんながコンディションを取り戻し、チームを立て直す時間だ。開幕時点に持っていたのと同じエネルギーで再出発したい」と話す。
9勝7敗という成績は理想的とは言えず、『ビッグ3』の複数が欠けるとチームは機能不全を起こす。しかし、得点能力で上位3人のうち2人を欠いて機能するチームは基本的には存在しない。日替わりのヒーローが出てきて勝ちを拾うのが理想ではあるが、ブーデンフォルツァーはそこでの1勝よりも、チームが正しいメンタリティを持って戦い続けていることを評価している。
左ふくらはぎを痛めているデュラントは今週末に再評価を受け、そこで問題がなければ近いうちに復帰できる。ビールもそれに続くだろう。5日間の休息を挟んで、これまでに比べれば楽なスケジュールで試合が組まれている。健康を取り戻し、チームの機能性を高めてここに臨むことができれば、しばしの失速を取り戻すのはそう難しくないはずだ。