グレッグ・ポポビッチ

75歳の指揮官、クラブの発表は「休養が必要なだけ」

スパーズのヘッドコーチ、グレッグ・ポポビッチが無期限でチームを離れることになった。現地11月2日のティンバーウルブズ戦を欠席し、クリッパーズとロケッツと敵地で対戦する遠征には参加しないと発表された。クラブの発表によれば、75歳のポポビッチの状態は「ただ休養が必要なだけ」とのこと。

ポポビッチ不在のチームはウルブズ戦で奮起し、113-103で快勝。今シーズン初の連勝を飾った。この試合で暫定で指揮を執ったアシスタントコーチのミッチ・ジョンソンは、試合開始2時間半前にポポビッチの欠場を知らされたと明かし「彼は体調が良くない。以前にもこのようなことがあった」と語る。

15得点13アシストを記録した『コート上の指揮官』クリス・ポールは「シーズンを通して戦う上で、いつ何が起きても備えておかなきゃいけない。選手が倒れた時に次の選手が出てきて頑張るのと同じ。ミッチを応援してあげてほしい」と語った。

ミッチは2016年にスパーズ傘下のGリーグチーム、オースティン・スパーズに加わり、2019年からポポビッチのアシスタントを務めている。過去にも2度、ポポビッチに代わって指揮を執った経験がある。最初はティム・ダンカンの殿堂入り式典に参加した時。次は2023年3月で、体調不良で1試合を欠席している。

2014年には数試合を欠場している。この時も理由は明らかにされなかったが、その後に心臓疾患だったことが分かっている。それでも必要な処置を受け、この10年は問題がない。

ポポビッチは75歳。1988年にラリー・ブラウンのアシスタントコーチとしてNBAに入り、1994年にスパーズのGMになると、3年目にヘッドコーチを解任して自分が後任に就いた。それからスパーズのヘッドコーチとして29年目を迎え、5度の優勝を勝ち取っている。

リーグ史上、70歳を超えてヘッドコーチを務めた指揮官は、ビル・バートカ(71歳)、ヒュービー・ブラウン(71歳)、ラリー・ブラウン(70歳)、そしてポポビッチの4名しかいない。2020年の開幕戦でポポビッチはNBA史上最年長コーチとなり、2023年にバスケットボール殿堂入りを果たしている。