ジェイソン・テイタム

グラント・ウィリアムズは反省「意図的じゃなかった」

セルティックスvsホーネッツは124-109でセルティックスの勝利に終わったが、その結末は後味の悪いものとなった。セルティックスがほとんどの時間帯でリードしながらもホーネッツが食らい付く展開で迎えた第4クォーター残り2分、ディフェンスリバウンドを確保したジェイソン・テイタムがボールをプッシュする。そこにグラント・ウィリアムズが斜め後ろから突っ込んだ。

死角からの危険なタックルに吹き飛ばされたテイタムだが、すぐに立ち上がってフリースローラインへ向かう。だが、明らかに危険なタックルの映像が確認され、グラントは退場処分を受けた。その直後には3ポイントシュートを放つテイタムの足元に入る危険なディフェンスでラメロ・ボールにフレグラントファウルが宣告され、さらに終了間際にはマイルズ・ブリッジズも審判への不満からボールを弾き出す行為で退場となった。

ホーネッツは強度の高いプレーを見せる意図が悪い方向へ行き、荒っぽいプレーの連発でよく粘っていた試合の終盤に自滅することになった。一方のセルティックスは、突き飛ばされたテイタムが怒りを押し殺してプレーを続けようとしたように、感情に流されない精神的な強さがあった。

普段は勝ってもほとんど喜ばない指揮官ジョー・マズーラは、この日は「最高の試合だった。激しい試合の中で選手たちは落ち着きを失わず、上手く対応した」と語った。

テイタムは黙して語らなかったが、ジェイレン・ブラウンは黙ってはいなかった。「JT(テイタム)とグラントは友人だと思っていたが、そうじゃなかった」とブラウンは言う。「あれがどういうことなのか、僕には理解できない。勝つには勝ったが、あれがバスケのプレーじゃないことははっきりさせておきたい」

「あのファウルは故意だったと思うか?」と質問されるとブラウンは怒りを露わにしてこう答えた。「どの場面のことを言っているんだ、僕が見たのと同じプレーを見たんだろう? 故意に決まっている。レイ・ルイス(アメリカンフットボールの名選手)みたいなタックルだ。グラントはよく分かっているはずだ」

試合後、落ち着きを取り戻したウィリアムズは意気消沈した面持ちで「アグレッシブに行こうとしたが、必要以上にハードなファウルになってしまった」と語る。「でも、意図的なものじゃなかった。彼にケガを負わせようというわけじゃない。彼はリーグで最も親しい友人の一人なんだ」

セルティックスはこれで5勝1敗。ホーネッツを思うように突き放せず、残り8分で1点差に迫られる苦しい展開だったが、プレッシャーのかかる場面で落ち着きを保ち、勝ち切る精神力が光った。一方でホーネッツはこれまでの低迷から浮上する気配は感じられるが、ウィリアムズの退場劇は息詰まる展開に耐え切れず集中を切らしてしまった結果だし、その一つのミスからチームも一気に崩れてしまった。両チームの成熟度の差が浮き彫りとなった試合だった。