文=丸山素行 写真=丸山素行、黒川真衣

以前よりアグレッシブに取り組んでいると思います

今や恒例となった男子日本代表重点強化合宿は今週で3回目を迎えた。Bリーグで勝率トップを走り、チャンピオンシップ出場一番乗りを決めた川崎ブレイブサンダースの司令塔である篠山竜青は、「もう一回いろいろなことを思い出す意味で良い合宿になりました」と今回の強化合宿を振り返る。

新体制になってからすべての強化合宿に参加している『常連組』とも言うべき篠山だが、先月のイランとの国際強化試合には招集されなかった。「イラン戦のメンバーから外れて、それが悔しさになってモチベーションになっています。イラン戦の前の合宿よりアグレッシブに取り組んでいると思います」と篠山は言う。

今回の合宿は選手のコンディションを考慮した軽めのメニューとなったが、その中でも篠山は高い熱量で練習に取り組んでいた。「こういう練習ってダラダラやろうと思えばできてしまいますが、そういう気持ちでやると逆に疲れます。自分から身体を動かして集中力を保つためにも意識してやっています」

突き付けられた課題、得点を狙うプレーを強く意識

強化合宿は30人で行われるのに対し、イラン戦の招集メンバーは15人。それでも篠山は招集されてもおかしくない選手である。それでいて招集外となった理由として、レギュラーシーズンの数字を指摘されたと教えてくれた。「チーム事情を抜きにして、代表に入るには10点近く取れるような姿を見せないとアピールできないと言われました」

代表に入るには得点力の向上が必要。明確な課題を突き付けられたことで、得点への意識が高まったのは当然だ。「そこはイラン戦に落選してから常に意識していて、前半戦に比べればゴールに向かっていくプレーは増えたと思っています」

その結果はすぐに表れた。2桁得点を挙げたのは、イラン戦以前で36試合中6試合だったが、イラン戦以後では9試合中4試合と、数字を見ればその差は一目瞭然だ。イラン戦のためのバイウィークが明けて3試合目、2月22日の富山グラウジーズ戦ではシーズンハイとなる25得点の荒稼ぎを見せている。

試合、練習、代表活動と過密日程を余儀なくされている篠山だが、コンディションの維持については問題ないと言う。「川崎はタイムシェアするチームでもあるし、慣れも出てきたので前向きにやれています。試合数も増えて、ケガ人もいるということで北ヘッドコーチも練習量を調整してくれていますし、休みももらえているので逆に体力を落とさないようにトレーニング量を考えてます」

日本代表は6月2日から7日かけて行われる東アジア選手権、またその先にあるオリンピックを見据えて強化を進めている。「次の東アジア選手権には絶対残りたい」と意欲を燃やす篠山は、得点力を高めることで代表定着を狙っている。