ポポビッチ

写真=Getty Images

ナゲッツの会見に乱入する『サービス』も

ヘッドコーチとしてNBA史上3位の通算勝利数を記録しているスパーズの名将グレッグ・ポポビッチに、不名誉な記録がついてしまった。

それは、あっという間の出来事だった。4月3日に敵地で行われたナゲッツ戦開始からわずか63秒後、ラマーカス・オルドリッジに対するポール・ミルサップのファウルを取らなかった主審の判定に怒ったポポビッチは、タイムアウトを取って猛抗議。主審のマーク・アイオテは取り合わず、1回目のテクニカルファウルをコール。食い下がるポポビッチは、直後に2回目のテクニカルファウルを受けて、退場処分となった。

『Elias Sports Bureau』によれば、試合開始から2分以内に退場処分を科されたヘッドコーチは、NBA史上ポポビッチを含めて2人しかいない。ポポビッチの前に不名誉な記録を作った指揮官は、2012年1月2日のセルティックス戦開始から106秒後に退場させられた故フリップ・サンダース(当時ウィザーズのヘッドコーチ)だった。

85-113でナゲッツに敗れた試合後、ポポビッチは退場処分について聞かれても、「審判に聞いてくれ」とだけコメント。その後ポポビッチは、会場の廊下でメディアの質問に答えていたナゲッツ指揮官マイク・マローンに鉢合わせすると、囲み取材に乱入。マローンとの寸劇で爆笑を取った。

マローン「ちょうど今、今夜の試合で誕生したNBA記録について話していたんだよ」

ポポビッチ「なんの記録だ? いったい何があった?」

マローン「ある人物が、試合開始から63秒後に退場になったんだ」

ポポビッチ「本当に? きっとその人物は、誰かに暴行をはたらいたに違いないな。誰か殴られたのか? それとも罵られたのか?」

マローン「ほかに質問は?」

ポポビッチ「私は行くよ。みなさんは、マイキーとの質疑を続けてくれ」

敗れたスパーズは、西カンファレンス8位に後退。ポポビッチと共にチームも気持ちを切り替え、残り3試合に臨む。