昨シーズンは1年目ながら平均11.9得点、3.8リバウンドを挙げ主力の一員に

昨シーズン、ヒートは一昨年に続くファイナル出場、2013年以来となるNBA制覇を目指したが、結果はプレーオフ・ファーストラウンドでセルティックスに1勝4敗と早々に散った。出直しを図る今シーズンとなるが、オフに大物選手の獲得はなかった。

昨シーズン途中にトレードで獲得したテリー・ロジアーと他の選手の連携向上に加え、ヒートの明暗を分ける大きなポイントとなるのが若手のステップアップだ。特に楽しみなのが2年目のハイメ・ハケスJr.だ。

昨年のドラフト全体18位指名で加入したハケスJr.は、大学時代に名門UCLAで1年生から4年生まで不動の先発を務める。特に4年時には平均17.8得点、8.2リバウンド、2.4アシストと大学界屈指のガードとして大暴れだった。そして、大学での豊富な経験を生かした堅実なプレーで1年目からローテーション入りを果たすと、75試合に出場し平均28.2分のプレータイムで11.9得点、3.8リバウンド、2.6アシストと主力の働きを見せた。

2年目のさらなる飛躍を目指すハケスJr.が、意識しているのはオフに去ったケイレブ・マーティンの役割を受け継ぐこと。昨シーズンのマーティンは、64試合出場で平均10.0得点、4.4リバウンド、2.0アシストとスタッツで見ればハケスJr.と大差ない。だが、特にディフェンス面ではエースストッパー役を担うなど、スタッツに出ない部分での貢献が大きかった。

地元紙『South Florida Sun Sentinel』の取材に対し、ハケスJr.は「ケイレブを失ったことで、ディフェンス面で相手チームのベストプレーヤーだったりその日に調子の良い選手を止める役割において、埋めないといけない穴が生まれたのは間違いないと思う」と語ると、自身がその穴埋め役を務めたいと意気込む。

「守備について、コーチから『ハイメ、君には相手のベストプレーヤーのマークにつき、追いかけて止めてほしい』と言われ、自分の役割は大きくなると思う。そうすることで役割を進化させていける」

ヒートにはジミー・バトラー、タイラー・ヒーローにロジアーとオフェンス能力に長けた選手たちがいる。ヒートが優勝するにはハケスJr.が彼らの守備面の負担を軽減し、オフェンスにより集中させられる存在となる必要がある。