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発生件数、離脱期間など多数の項目に成果が現れる

Bリーグは8月22日、2023−24シーズンのインジュアリーレポートをメディアに公開した。

同レポートはB1、B2所属クラブのメディカルスタッフがコンディション管理ソフト『ONE TAP SPORTS』に所属選手の外傷・障害のデータを記録し、同ソフトの運営会社でありBリーグSCS推進チーム(※)に所属する株式会社ユーフォリアの担当スタッフが集計・検証したデータをもとに作成された。対象期間は2023年10月2日から2024年5月28日で、天皇杯、東アジアスーパーリーグの期間中も含まれる。

同シーズンに発生した外傷・障害の総数は499件で、うち78.4%が試合中に発生。2022-23シーズンからは総数が2.7%、試合中の発生件数は1.0%減少し、1クラブあたりの外傷・障害発生件数もB1、B2ともに減少した。しかし、B2では1選手が1000時間するプレーあたりの外傷・障害発生率が4.05増加。集計をスタートさせた2020-21シーズン以来最多となった。

外傷・障害の内訳は昨シーズンと同様に足関節が最も多く、膝、大腿、下腿と続く。足関節の関節捻挫(靭帯損傷)の発生件数は昨シーズンから30%増加したが、大腿・肉離れ(筋断裂)は47%減少した。

SCS推進チーム事務局の数野真吾氏(Bリーグ競技運営グループ)は捻挫の増加について「接触など突発的要素が多分に含まれるため、主要因は明らかになっていない。ただ一度受傷すると繰り返すと言われているケガなので、初回をどのように防ぐか、どのような治療を経て復帰させるかといった点をプロジェクト化し、検証していきたい」とコメント。一方で肉離れの減少については「肉離れは過剰な負荷に起因されることの多いケガと言われている。各クラブのコンディショニング管理の成果が現れているのでは」と評価した。

また、シーズン全体で発生した外傷・障害による離脱日数は、昨シーズンより8%減の11,549日。島田慎二チェアマンは「離脱期間が約1000日短縮されたと考えると、それなりにインパクトがあると数字。SCS推進チームの始動当初から比べ、課題認識を持って対応するクラブが相対的に増えている。今後も期待したい」とコメントした。

※BリーグSCS推進チーム=命を守る(Safety)、選手稼働の最大化(Condition)、パフォーマンスの向上(Strength)を目的に、整形外科や脳神経外科などの専門家を体制化したチーム。外傷・障害レポートの実施やメンタルヘルスケアの統一的な取り組み、安全体制の構築などを進めている。