ジェームズ・ハーデン

写真=Getty Images

「アタックモードに入っていたんだ」

スパーズのヘッドコーチであるグレッグ・ポポビッチは、3月22日のロケッツ戦前、ジェームズ・ハーデンを止める方法を聞かれ、「誰か知っている者がいるのなら、もうやっている」と答えた。それから数時間後、名将ポポビッチも感嘆するハーデンのアンストッパブルなパフォーマンスが見られた。

ハーデンは、今シーズン2回目、そしてキャリアハイに並ぶ61得点を記録し、111-105でチームを勝利に導いた。圧巻だったのは6点のビハインド(94-100)を背負って迎えた第4クォーター残り4分からのプレーだった。

ハーデンは、立て続けに3本の3ポイントシュートを連続成功させてリードを奪い返すと、バンクショット、フローターも成功させ、約2分半の間だけで13得点をマーク。エースによる怒涛のスコアリングショーによってリードを5点に広げたロケッツが、勝ち切った。ハーデンは試合後に『NBA TV』のインタビューに応じ、「アタックモードに入っていたんだ」と、スパーズ戦を振り返った。

2年連続のシーズンMVPも十分にあり得るパフォーマンスを続けているハーデンだが、周囲がもっとも心配するのは、プレーオフでガス欠状態に陥ってしまわないかどうか。近年では、ケガに繋がる心身に対する負荷レベルを調整する『ロードマネージメント』というフレーズも頻繁に聞かれるようになったが、ハーデンは「ロードマネージメント?そんな言葉知らないよ」と答えた。

「僕はフーパーなんだ。これを一生続けられないことは分かっている。自分にとって最高の日は、足に疲労を感じている時。シュートが決まる時。これこそ最高の日だよ」

ウィルト・チェンバレン、マイケル・ジョーダン、コービー・ブライアントに次いで史上4人目の年間複数試合で60得点超えを果たしたハーデンの目標は、史上最高の選手の一人になること。だからこそ、どんな時も練習を怠らない。

「毎日練習している。できる限り最高の選手になるためにね。疲れを感じている時とか、起きたくないなと思う日でも練習している。だって、これまでバスケットボールに触れた選手の中でベストプレーヤーの一人になれるチャンスがあるんだ。これは、子供の頃からの夢。この気持ちのおかげで、日々練習に向き合えている」

残るは9試合。ハーデンの快進撃は、まだ止まりそうにない。