サンズからの誘いに「断ることなんかできなかった」
ウィザーズからサンズへと移籍したタイアス・ジョーンズが、フェニックス入りして現地メディアの取材に応じた。
キャリアの充実期にフリーエージェントの権利を得ながら、市場の原理に振り回されてベテラン最低保証額での1年契約を余儀なくされたが、今のジョーンズは気持ちを切り替えて新たなシーズンでサンズに勝利をもたらし、自身の再評価を勝ち取るつもりでいる。
「勝つチャンスなんだ。僕は戦って勝つチャンスを求めていた。サンズからそのチャンスを提示されたら、断ることなんかできなかった」とジョーンズは言う。「ロスターに並ぶ名前を見て、自分が完璧にフィットすると思った。自分の能力が優勝候補のチームに貢献できる、そう感じられることにワクワクしているんだ」
「コーチ・バド(マイク・ブーデンフォルツァー)と話したけど、彼が僕をどう使うかのイメージは、僕自身の思い描くこととピタリと一致していた。オーケストラの指揮者のようにプレーメーカーを務め、ブック(デビン・ブッカー)とKD(ケビン・デュラント)、ブラッド(ブラッドリー・ビール)がよりプレーしやすい状況を整える。それがつまりポイントガードとしての僕が得意なプレーなんだ。新しいチームになるけど、簡単にフィットできると思っているよ」
「彼ら3人は本当に多くの仕事を抱えてプレーしてきた。ディフェンスしてオフェンスを組み立てて得点を奪い、チームを引っ張る。そんな仕事を毎試合やってきた。だから僕は彼らの仕事を楽にしたい。特にブックとブラッドはプレーメークもかなり担っていた。彼らは攻撃の組み立てもできるけど、やっぱり本当に得意なのは点を取ることだ。だから彼らを正しい場所に配置すべきだし、それが僕の役目だと思っている。そして、彼らが得意な仕事をすることで、僕の仕事も楽になるだろう。そういうバスケができるのが楽しみだ」
サンズがジョーンズに期待するのは、アシストだけでなくターンオーバーの少なさだ。昨シーズンのサンズは司令塔不在で、第4クォーターの勝負どころでのミスで自滅することが少なくなかった。ジョーンズは安定したプレーメークの指標となる『AST/TO』が7.3で、ここ5シーズンでリーグトップと、その安定感は群を抜く。
「ポイントガードとしてミスが少なければ少ないほどシュートを打つ回数が増え、得点のチャンスが増える。僕はそれを誇りに思っているんだ。サンズには点を取れる選手が多く、それぞれの得意なプレーエリアでボールを渡したい。サンズに来ることでターンオーバーが増えるとは思っていないよ」
サンズの『ビッグ3』はもちろんだが、ジョーンズはグレイソン・アレンとのプレーも楽しみにしている。2人はデューク大がNCAAトーナメントで優勝した時のチームメートだ。「彼とは昔からの付き合いだし、今回も彼が僕を誘ってくれた。コートの内外で一緒にいられるのが楽しみだ」
昨シーズンは『ビッグ3』が機能せず失意の1年となったが、タイアス・ジョーンズの加入がチームを取り巻く雰囲気を好転させている。どこからでも点の取れる布陣をジョーンズがどう仕切っていくか。彼にとっては勝負の1年となる。