残り24秒、決まれば同点の3ポイントシュートを外す
ヤニス・アデトクンボはスペインを相手にフィールドゴール17本中12本成功の27得点、11リバウンド3アシストの大活躍を見せたが、試合には77-84で敗れ、これでギリシャは2連敗となった。
両チームともに大会初戦を落として迎えた第2戦、先手を取ったのはギリシャだった。ニック・カレイテスが最初のポゼッションで3ポイントシュートを決めたのを皮切りに、ゲオルギオス・パパヤニスも3ポイントシュートで続き、アデトクンボが豪快なダンクを決めてエンドワンももぎ取る。開始7分でカレイテスの2本目の3ポイントシュートが決まり、20-12とリードしたギリシャが試合の流れをモノにしたかに見えた。
それでもギリシャはスタートダッシュに成功して緊張を緩めてしまい、追い上げようとギアを上げるスペインの勢いに飲み込まれる。前の試合で絶好調だったセルヒオ・リュリが相変わらずのシュートタッチの良さでスペインのオフェンスを引っ張り、第1クォーターの最後と第2クォーターの最初に3ポイントシュートを決めて逆転に成功。後手に回ったギリシャを圧倒し、前半終了時点で49-35と大量リードを奪った。
ハーフタイムまで立て直せずズルズルと離されたのは痛かったが、ギリシャは第3クォーターにチームとして攻守を立て直し、アデトクンボの個人技で違いを作り出して点差を詰めていく。そして第4クォーター開始から1分半、アデトクンボによるバスケット・カウントを含む2本連続のシュート成功でギリシャが1点差まで追い上げた。
流れは完全にギリシャ。巻き返しを主導するために後半は出ずっぱりだったアデトクンボをしばらくベンチに下げた時間帯も、残るメンバーが攻守に奮起してスペインに流れを渡さない。そして残り4分半、呼吸を整えてコートに戻ったアデトクンボがエンジン全開のコースト・トゥ・コーストでダンクを突き刺し、71-71と試合を振り出しに戻した。
ところが、ここからの勝負どころでギリシャは失速してしまう。ウィリー・エルナンゴメスのボックス・ワン・ディフェンスでアデトクンボがチームオフェンスから切り離されると、絶対的な安定感が売りのはずの司令塔、カレイテスがプレー選択に迷って効果的な攻めを作り出せない。それでもコスタス・パパニコラフの3ポイントシュートで食い下がり、アデトクンボの豪快なアタックがバスケット・カウントとなり、残り1分で77-80と再びスペインを射程圏内にとらえた。
スペインの攻めをしのいで迎えた最後の攻め。アデトクンボからのパスを右コーナーで受けたパナギオティス・カライタキスはドライブから逆のコーナーへとボールを送り、そこから流れるようなパスが繋がる。ただ、誰も得点を狙うアクションには行けなかった。トップ・オブ・ザ・キーでボールを止めたアデトクンボが3ポイントシュートを放つが、これは彼の得意なプレーとは言えない。これがリングに嫌われて万事休す。猛烈な追い上げを見せたものの、要所要所で出たミスに足を引っ張られ、勝利はモノにできなかった。
これで『死のグループ』であるグループAは、カナダが2勝、スペインとオーストラリアが1勝で、ギリシャだけが未勝利。3位になればベスト8進出の可能性は残されるが、そのためにはオーストラリアに勝つだけでなくツキも必要になるし、突破できても準々決勝ではグループ1位通過の強豪と対戦することになる。