愛するボストンに帰還するアイザイア・トーマス「愛情は絶対に変わらない」

2019/03/18
NBA&海外
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アイザイア・トーマス

写真=Getty Images

セルティックス復帰も選択肢に?

アイザイア・トーマスにとって、2014-15シーズン途中から2016-17シーズンまで所属したセルティックスは、特別な存在となっている。NBA選手としてブレークしたチームでもあり、キャリア最高の成績を残した時期でもあり、熱狂的なボストンのファンに支持された時期でもあったからだった。

今シーズンはナゲッツに所属しているトーマスが、明日、久々に慣れ親しんだTDガーデンに帰ってくる。『Boston Globe』との電話インタビューに応じたトーマスは「ボストンでの件は、起こるべくして起こった。それでも、ボストンに対する愛情は一生なくならないよ」と、その思いを語った。

彼が言った『ボストンでの件』とは、2017年の夏に成立したキャバリアーズへのトレードのこと。これまで球団に忠誠を誓い、セルティックスレジェンドのポール・ピアースからも薫陶を受けただけに、カイリー・アービングとの交換でキャブズに移籍したトーマスの胸中は複雑だったに違いない。だがトーマスは「3年しかいなかったけれど、ボストンで受けた愛情のおかげで、15年はプレーした感覚」と言う。「お互いに愛情を注ぎ合った関係だったからね。全て偽りのない感情。当時ボストンには誰かが必要で、僕にも自分の力を信じてくれるチームが必要だった。自分はハードワークを厭わないし、とにかく全力を出し尽くす。そういう選手を当時のボストンは欲していたんだ。みんなは素晴らしい選手を求め、僕は自分が素晴らしい選手であることをみんなに証明したかった」

セルティックス時代、トーマスは2度もオールスターに選出されたが、良いことばかりではなかった。2017年4月、ブルズとのプレーオフ1回戦が始まる前日、最愛の妹が交通事故でこの世を去った。悲しみに暮れたトーマスだったが、球団のため、チームのため、自分自身のためにプレーすることを決断。プレーオフでは獅子奮迅の活躍を見せ、チームをカンファレンス・ファイナルにまで導いた。

当時について、トーマスは「妹のことがあって、悲しんでいた時期に球団とボストンが自分を支えてくれた。それが何よりも大きかったね。その時の気持ちもあるから、ボストンに対する愛情は絶対に変わらない」と話した。

それからのトーマスは、バスケットボール選手として苦しい時期を送っている。セルティックスでのラストイヤーを股関節の負傷で終えたトーマスは、ケガが完全に治らないままキャブズで復帰。昨シーズンのトレードデッドラインにレイカーズにトレードされた後で手術を決断し、昨年のオフにナゲッツに移籍した。長いリハビリを経て先月復帰したトーマスだが、ウォリアーズと西カンファレンスの首位争いの真っ只中にある現在、指揮官マイク・マローンの方針によりローテーションから外れている。

このままでは明日の試合に出場するかどうかも分からないが、少なくとも、ボストンのファンは大歓声でトーマスを出迎えるだろう。実はトーマスは、フリーエージェントだった昨年の夏に、セルティックスの球団社長であるダニー・エインジに連絡を入れ、セルティックス復帰に関心があることを伝えた。

セルティックスはマーカス・スマートとの再契約を検討していた時期で、トーマスの復帰は実現しなかったが、ボストンに戻ることに問題はないという彼の気持ちは変わっていない。

「自分のトレードがあったから、良い関係ではない状態で球団を去ってしまった。でも、(復帰に)関心を持っていることを球団に知っておいてもらいたかったんだ。(エインジに)『復帰したい。チームを引っ張りたい』と言ったわけではないよ。もしチャンスがあれば、自分が関心を持っていることを知っておいてもらいたいと言っただけ」

トーマスは、今年のオフに再びフリーエージェントになる。彼のコメントから察するに、セルティックスへの復帰も選択肢には入っているのだろう。それでもトーマスは、「先のことは分からないよ」と、去就について語った。

「自分は、どのチームに対してもオープンな状態。今はナゲッツの選手だけれど、シーズンが終わってフリーエージェントになれば、それからどうなるかなんて分からない」

今夏のセルティックスにとって最優先すべきは、同じくフリーエージェントになるカイリー・アービングとの再契約だ。たとえロスターに空きが生まれ、トーマスに関心を持ったとしても、ナゲッツでもローテーションから外れてしまった現状のままではベテラン最低保障額での契約になるかもしれない。それでも、もしエインジからオファーが届けば、トーマスは首を縦に振るのではないだろうか。

今もボストンのファンから愛されているトーマスのセルティックス復帰が実現するかどうかも、今年の移籍市場で注目される事柄になるはずだ。