「僕たちはフィジカルにプレーできていなかった。他に何も言うことはない」

マーベリックスはNBAファイナル第3戦でセルティックスに99-106と敗れ、3連敗と後がなくなった。

この試合、マーベリックスは前半を1点リードで折り返したが、第3クォーターにセルティックスの猛攻を食い止めることができずに突き放され、第4クォーター序盤には21点の大量ビハインドを背負った。しかし、そこから驚異的な追い上げを見せ、残り6分には1ポゼッション差にまで肉薄と完全にマーベリックスの流れだった。しかし、残り4分38秒、4分12秒とルカ・ドンチッチが連続でファウルをコールされ、ファウルアウトに。絶対的なエースを欠くチームは、ここ一番での決定力に欠けて競り負けてしまった。

「自分が覚えている限り、こんなことはこれまでなかった」。試合後の会見でドンチッチは、第4クォーター開始から約8分間で4つのファウルを取られてしまったことについてそう語った。もちろん、苛立つ部分はあるだろうが、「僕たちはフィジカルにプレーできていなかった。他に何も言うことはない。NBAファイナルで6ファウルをしてしまう。もっと良いプレーはできたよ」と、あくまで自分にベクトルを向けた。

NBAのプレーオフにおいて、0勝3敗から逆転でシリーズを制したチームはいない。だが、ドンチッチは当然のように全くあきらめていない。「敗戦が確定するまで、終わりとはならない。自分たちを信じるだけたさ。常に言っているけど、まずは4つのうち、最初の1勝をつかむこと。僕たちは勝つ時も負ける時も一緒であり、だからこそ一つにならないといけない」

そして第4戦に向けて、「これまで3回も対戦しているから、相手のことは分かってきている。第3戦で21点差から追い上げることができたのは、僕たちにとって本当にポジティブなことだった」と逆襲へのきっかけを得たと続けた。

マーベリックスの立て直しには、ドンチッチの負担軽減へ、他の選手のステップアップが鍵となる。デレック・ライブリー2世は、「何が必要なのかは分かっている。自分たちのすべてを試合に注ぎこまないといけない。セルティックスは素晴らしいチームで点の取り方を知っている。僕たちはステップアップして学んで、相手に適応しなければならないんだ」と意気込んだ。

ドンチッチが言うように、ファイナルはまだ終わっていない。3連敗というあまりに大きな代償によって得た教訓を、マーベリックスが第4戦で生かすことに期待だ。