写真=Getty Images

グレン・ロビンソン3世が2度の『50点満点』でダンク王者に

2月18日に開催されたNBAオールスター・サタデーイベントのメインイベント『スラムダンクコンテスト』で、新たなダンク王者が誕生した。

昨年の大会でザック・ラビーンと激闘を演じたアーロン・ゴードンが大本命と言われた中、優勝したのはペイサーズのグレン・ロビンソン3世。1990年代後半からバックスなどで活躍したグレン・ロビンソンの息子で、NBA2年目の若手だ。

ロビンソン3世は予選ラウンド1度目の試技で今まで誰も見たことがないタイプの人間超えダンクを披露。なんと、協力者の2人に肩車をさせ、担がれた方が持つボールを空中で受け取りつつ頭上を越えてのリバースダンクを一発で成功させ、いきなり50点満点を獲得した。

ロビンソン3世は2度目の試技で360°ダンクを一発で決めたものの、リムに触れたことでインパクトを出せず。それでも合計得点で上位に入り決勝に勝ち進んだ。

決勝ラウンド1度目の試技では、ペイサーズのエースであるポール・ジョージに協力を要請。身長206センチのジョージの後頭部にボールを抱えさせると、それを飛び越えてのダンクを決めて44点を獲得した。

そして最後の試技、ロビンソン三世は再びジョージを呼び、優勝を競うデリック・ジョーンズJrと同じようにマスコットとチームのダンサーを縦に並べて『3人超え』の準備。一番身長の高いジョージにボールを持たせると、3人越えでのリバースダンクを豪快に決めて50点満点をゲット。合計得点でジョーンズJrを上回り、見事ダンク王者に輝いた。

『伏兵』デリック・ジョーンズJrも豪快ダンクを連発

ロビンソン三世に対し、大会前からダークホースとして注目されたサンズのデリック・ジョーンズJrも最初の試技から只者ではない実力を発揮した。4人を縦に並べると、その上を軽々と越えてのワンハンドダンクを叩き込み、45点という高得点を記録。

さらに2度目の試技では満点を叩き出す。チームメートのデビン・ブッカーに協力を求め、ブッカーがバックボードの脇からサイドの枠にボールを当てる。走り込んでこれに合わせたジョーンズJrは、レッグスルーダンクを叩き込んで会場を沸かせ、決勝進出を決めた。

しかし、最後はうまく行かなかった。サンズのマスコットとチアダンサーを含めた3人を縦に並べ、そこを超えてのダンクを狙うも失敗。最後はダンサーを下げてのトライも決められず、37点と手痛いミス。2度目の試技を先に行なったジョーンズJrは、フリースローサークルに人を立たせ、バウンドさせたボールをフリースローライン付近で掴んでのダンクに挑戦。3本目で成功させるも、インパクトでロビンソン3世を上回ることはできなかった。

独創的なアイデアで会場を沸かせたDJとドローン

クリッパーズのデアンドレ・ジョーダンは、1度目の試技でアイディア満点のダンクを成功させる。自らの愛称である『DJ』にちなみDJブースをゴール下に設置すると、助走をつけてブースを飛び越え、DJに持たせたボールを掴んでダンク。ユニークなアイデアが評価され41点を獲得した。

前年王者のアーロン・ゴードンが登場すると会場のボルテージは最高潮に。昨年は身体能力、スキルともに満点レベルのダンクを披露したゴードンだが、今回は『ネタ』で勝負に出た。コントローラーを操作すると、ボールをつかんだドローンがコートに入って来る。『Stuff』が操縦を託されたドローンは、ペイントエリア上の空中へ。ここから落としたボールのバウンドに合わせたゴードンが股抜きのダンクを狙った。

最後は豪快に決めたものの、数度の失敗(と再びドローンを飛ばす間のグダグダ)が響き38点とスコアは伸びず。結局、ゴードンとジョーダンは2度目の試技でもインパクトを残せず、予選ラウンドで敗退となった。

ロビンソン3世「機会が来れば実力を発揮したい」

大会後、ロビンソン3世は、高校2年生までダンクを決めたことがなかったと明かし、大会前から『格下』扱いを受けていた点について「自分のキャリア、人生そのもの。僕は常に格下と思われてきたからね」と返答。「それでも問題ない。自分は落ち着きのある選手だから。でも、活躍できる機会が来れば実力を発揮したい」と控え目に、だが揺るぎない自信を持って答えた。

惜しくも優勝こそ逃したものの、高校時代に得た『全米ダンク王者』の称号が伊達ではないことを証明したジョーンズJrは「言葉がないね。最高だった。来年の大会出場が待ちきれない」と語り、リベンジを宣言している。

おのののかさんが、WOWOWの『2017NBAオールスター前夜祭』にゲスト出演。「どのダンクもすごくてテンションが上がっています」と収録後も興奮冷めやらぬ様子だった。おのさんはミニバスから高校までバスケを続けた『ガチのプレーヤー』だが、ダンクの経験は「さすがにないです(笑)」。
今回のダンクコンテストで最も気に入ったのはドローン・ダンク。「今回は『ドローンを使った』だけ。来年、そこからさらにすごい技だとか面白いアイデアだとか入れてくるんじゃないですかね。そこに期待したいです」と、来年に向けてハードルをさらに上げた。
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