ブラッドリー・ビール

「競い合い、全力を尽くしてここから抜け出す」

ティンバーウルブズはホームで連勝した後、フェニックスに乗り込んでの第3戦で一度もビハインドを背負うことなく126-109での完勝を収めた。これで3勝0敗、最短でのファーストラウンド突破に王手をかけた。

サンズのフィールドゴール成功率は46.1%と低調で、特にペイント内での得点は36しかなかった。ウルブズのルディ・ゴベアは、「チームのためにゴール下で存在感を示す。それが僕の一番得意なこと」と自分がリムを守ることでサンズの選手が攻め気を失っていることに満足し、ブロックが1つもなかったことは気にしていない。「ブロックも狙っていたけど、なかなか攻めてこなかった。でもブロックするより相手にアタックを躊躇させる方が良い」

相手に思うようなオフェンスをさせず、リバウンドでは50-28と圧倒。フィールドゴール試投数は87-76とウルブズが大きく上回った。ブラッドリー・ビールが28得点、ケビン・デュラントが25得点、デビン・ブッカーが23得点とスタッツは残しているが、ウルブズ有利の展開を変えるような『何か』を起こすことはできなかった。

ウルブズではゴベアが19得点14リバウンド、カール・アンソニー・タウンズが18得点13リバウンドでいずれもダブル・ダブル。エースのアンソニー・エドワーズは36得点、ベンチからもニキール・アレクサンダー・ウォーカーとナズ・リードの2人が2桁得点を挙げている。

立ち上がりはサンズがエドワーズに仕掛けるブリッツが効き、積極的に攻めて第1クォーターだけで15ものフリースローを得て、ウルブズをファウルトラブルに陥れた。それでも先行するのはウルブズで、追い付かれても踏ん張って逆転させず、後半になってファウルトラブルから脱すると一気にサンズを突き放す。この間、ウルブズの個性的なタレントは、それぞれの特徴を損なうことなく見事に噛み合っていた。一方のサンズもタレント力では負けていないはずだが、それぞれの持ち味を引き出すようなケミストリーは見られなかった。

ホームでも立て直すことができずに3連敗。フェニックスのファンからブーイングを浴びたことも含め、サンズにとってはショックの大きい事態だ。デビン・ブッカーはこう語る。「プレーオフでの負けはどれもそうだけど、僕たちの自滅だった。逆境に立たされてもチームで力を合わせて粘り強く戦おうとして、コミュニケーションは取れていたと思うんだけど、やるべきプレーをやれなかった」

ブラッドリー・ビールは相次ぐケガを克服してプレーオフを迎え、オフェンスだけでなくディフェンスでも奮闘しているが、その努力が1勝に繋がらない。「良い戦いができていないわけじゃないが、試合の中でその流れが途切れてしまう。努力が報われないのはキツいけど、ここで弱音を吐くつもりはない。逆境に見舞われるのは分かっていたこと。競い合い、全力を尽くしてここから抜け出すんだ。僕はいつだって勝ちたいし、それはチーム全員が同じだ。すべては僕ら次第だと思っている。崖っぷちにいるけど、正面から立ち向かうしかない」

悪い流れを変える『何か』を起こせるか。彼らはもう崖っぷちに追い詰められている。