ディアンジェロ・ラッセル

レブロン・ジェームズ欠場の試合で、残る選手が奮起

レイカーズとバックスの試合は、48分間を通じて両チームとも2桁のリードを奪うことのない大接戦となった。こういう試合の勝敗を分けるのはクラッチタイムのスターパワーであり、残り3分からヤニス・アデトクンボの得点とアシスト、デイミアン・リラードの4点プレーで118-112と抜け出したバックスが、そのスターパワーでは優位に立っているように見えた。

この試合、レイカーズのエースであるレブロン・ジェームズは足首の痛みにより欠場し、バックスに対抗するスターパワーはないかと思われたが、ここで奮起したのがディアンジェロ・ラッセルだった。残り1分半からのポゼッション、攻めきれずに時間が少なくなったところでクイックリリースからの3ポイントシュートをねじ込み、残り39秒には八村塁とのパス交換からリムへと飛び込み、フローターを沈めるとともにバスケット・カウントももぎ取った。

なおも1点ビハインド。リラードのアタックをしのぎきり、残り23秒でレイカーズはタイムアウトを取る。最後の攻めを託されたラッセルは落ち着いていた。時間をたっぷり使って自分とディフェンスの間合いを見極め、ミドルレンジの難しいフローターを「確実に決める」という自信とともに放って成功させる。こうしてレイカーズが123-122の逆転勝利を収めた。

ラッセルはゲームウィナーとなったシュートをこう振り返る。「やりたいプレーは明確だった。相手のディフェンスを困らせて、上手くシュートに持っていけたと思う。時間ギリギリよりも少し早く攻めて、もしシュートが外れてもセカンドチャンスで攻められる時間を残したんだけど、シュートは決まった。ビッグプレーだったね」

「得点でもアシストでも、チームが僕に求めることは何でもする。それは僕だけじゃない。レブロンが欠場した今日は多くの選手がステップアップしてくれた」とラッセルは続ける。アンソニー・デイビスはブルック・ロペスやアデトクンボとフィジカルな勝負を繰り広げ、試合途中にアデトクンボの肘が入って痛みを感じながらも、プレーの強度は落とさなかった。八村は12得点5リバウンド2アシストで、スタッツこそ目立たなくてもデイビスをよくサポートした。オースティン・リーブスは18得点7アシストとラッセルに続くプレーメーカーとして存在感を発揮。スペンサー・ディンウィディーは最後のリラードのシュートをブロックし、試合を締めくくっている。

それでもやはり、この日のラッセルのパフォーマンスは群を抜いていた。アデトクンボとリラードを相手に正真正銘のスーパースターの輝きを見せた。ラッセルはシーズンハイの44得点、さらに9アシストを記録してターンオーバーわずか2。簡単ではなかった試合展開の中で落ち着きを失わず、終盤の勝負どころでゲームを支配した。

ラッセルは言う。「僕はいつも自分に何ができるのか分かっているつもりだ。これまで失敗も含めた多くの経験から今の僕ができた。だから僕は絶対に自信を失わない。勝負することを恐れない。だからどんな状況でも自信を持ってプレーできるんだ」