ジョエル・エンビード

「良い状態になればプレーする、それが計画だ」

ジョエル・エンビードは左膝半月板を手術して1月下旬から長期離脱している。いまだ復帰の目途は立っていないが、ケガをしてから初めて彼は取材に応じ、今の心境を語っている。

「健康を取り戻して僕が思い描くようなコンディションになるには、すべてを上手くやらなきゃいけない。でも、それが僕の計画なんだ」とエンビードは言う。

ケガをする前に彼は絶好調だった。12月の9試合で平均40.2得点、12.6リバウンド、4.9アシストを記録し、1月もケガをするまではそのハイペースを維持していた。現地1月22日のスパーズ戦では彼自身が「怖いぐらいの出来だった」と語るパフォーマンスで70得点を挙げている。

「だからこそケガしてしまったのは残念だ。僕は好調だったけど、身体的な面でも技術的な面でも自分が望むレベルに達したとは思っていなくて、もっとやれると感じていた。でも、プレーを楽しめていたし、多くの試合を支配して勝利を収めていた。70得点した試合は楽しかったよ。僕は自分をディフェンスの選手だと思っているけど、それで70得点できたのはすごい。楽しかったけど、終わったわけじゃない。復帰して、また進み始めるんだ」

エンビードのケガについては、レギュラーシーズンの65試合以上に出場しないとMVPなど個人賞の対象から外れるルールが導入されたことで、彼が無理をした結果ではないかと噂されている。エンビード不在となったオールスターで、ニコラ・ヨキッチはライバルであり仲間であるエンビードを思いやり、「ケガをした選手にプレーを強制するなんて」と、このルールを批判した。

ただ、エンビードはケガと65試合ルールは関係ないと言う。「個人賞なんてどうでもいいよ。チャンスがあるなら狙いに行く、それだけのことだ。個人賞とは関係なく、僕はプレーできる限りは試合に出る。ケガするまでの2か月間も、100%のコンディションだったわけじゃない。それでもチームに貢献したかったし、勝ちたかった。ケガをして落ち込んだけど、自分自身を鍛え直し、できる限りベストに近いコンディションを作るための一つの方法だと考えるようにしたんだ」

「だからチームの状況次第で復帰の決断を変えることはない」とエンビードは続ける。「ケガをする前の最後の何試合かに無理をして出場していたのと同じだ。僕はバスケが大好きだ。プレーできるのは長くてもあと20年しかないから、できるだけコートに立ちたい。チームの順位には関係なく、プレーしてみんなの力になりたいんだ」

試合を支配していた選手の不在は大きく、エンビードの離脱から、強行出場してケガを悪化させたウォリアーズ戦も含めて4勝11敗とシクサーズは失速している。「チームの苦戦を見ているのはつらい。でも、僕は仲間を信じている。どんなチームにだって逆風の時期はあると考えるようにしているよ」

「復帰がいつになるかはまだ分からない。良い状態になればプレーする、そうじゃなければ待つ。それが僕の計画なんだ。もし予定よりずっと遅くなってプレーオフに間に合わないようなことになれば、その時はその時で決断するしかない。でも、僕のシーズンは終わったわけじゃない」

シクサーズは東カンファレンスの6位まで順位を落としている。7位ペイサーズとはゲーム差なし、8位マジックとは0.5ゲーム差とまだ下がる可能性はあるが、少なくともプレーイン圏内は確保できそうだ。エンビードが復帰すればストーリーは全く違ったものへと変わるはずだ。