レブロン・ジェームズ

今シーズン終了後、契約最終年を破棄して移籍を選択?

レブロン・ジェームズはこれまで21年のNBAキャリアでトレードを経験していない。それでも現地1月30日、ホークスに敗れてレイカーズの勝率が5割を切ると、彼は砂時計の絵文字をSNSに投稿した。その意図はいまだに明らかにされていないが、トレードデッドライン直前というタイミングもあって「レブロンがレイカーズにトレードを要求するのではないか」との噂が広がった。

レブロンとレイカーズの契約は来シーズンまで残っているが、プレーヤーオプションとなっている契約最終年を破棄すれば今シーズン終了後にフリーエージェントになることができる。もし彼がレイカーズを見限り、最終年を破棄することを宣言すれば、レイカーズは何らかの見返りを得るためにこの数日間でレブロンをトレードに出すことになる。

レイカーズの状況は非常に厳しい。まずはチームの成績が一向に良くならないことがあり、レブロンとアンソニー・デイビスを中心とする選手たちと指揮官ダービン・ハムとの関係は、破綻こそしていないものの良好とはほど遠い。レイカーズはレブロンとデイビスのベテラン2人がフル稼働してはじめて強豪と渡り合えるチームでしかなく、ここ数年でそうだったように、この時期に彼らが無理をして目先の1勝を取りに行かなければならないチームに、優勝は現実的な目標ではない。レブロン自身、そのことにフラストレーションを抱えているからこその『砂時計』なのだろう。

レブロンのエージェントを務めるリッチ・ポールは、『ESPN』に「レブロンはトレードされないし、我々がトレードを望んでいるわけでもない」と語り、トレードの噂を否定した。ただ、レブロンが今すぐにトレードを要求することはないにしても、レイカーズが勝てないチームなのは事実だし、そのことに彼が不満を抱いているのもほぼ間違いない。

ただ、レブロンのトレードとなると、レイカーズは彼の4700万ドル(約70億円)に相当するサラリーを引き受けるのを嫌がるだろう。レブロンとしても、競争力のないチームに行くことに意味は見いだせないだろうし、このタイミングで良い新天地を見つけるのは簡単ではなく、この数日でトレードがまとまるとは考えづらい。

それでも、レイカーズとレブロンはそれぞれ自分の将来のために、今シーズン終了後を見据えて行動するはずだ。レブロンはフリーエージェントになった場合、キャリア最後の活躍の場をどこにするべきなのか。彼のプレーヤーオプションを行使する期限は6月29日で、その直前にNBAドラフトが行われる。息子のブロニーが指名されたチームに行くという選択は十分にあり得る。リッチ・ポールは現時点ではトレードを否定しても、これからはレブロン親子が一緒にプレーするのに一番良いチームはどこかを探る大仕事に着手するのかもしれない。

レイカーズはレブロンの残留を望むだろうが、それがかなわない場合はアンソニー・デイビスを中心にチームを再編することになる。あるいはデイビスもトレードに出して再建に舵を切るかもしれない。いずれにしても大きな方針転換で、ここ数日で決まることは何もないかもしれないが、レブロンとレイカーズの関係はしばらく緊張感あるものになりそうだ。