ラスト1.1秒からグラントの得点で延長に持ち込む
トレイルブレイザーズは現地1月24日、同点の残り15秒からの攻めでジェイレン・ウィリアムズにゲームウィナーを決められてサンダーとの接戦を落とした。失意のままオクラホマシティからヒューストンに移動したバック・トゥ・バック(2日連続の試合)の2試合目となるロケッツ戦も大接戦に。残り1分を切って4点ビハインドと苦しい状況だったが、マルコム・ブログドンの3ポイントシュートで1点差に詰め寄り、フリースローを与えたことで3点差とされると、残り時間は1.1秒しかなかった。
『デイム・タイム』がなくなった今、ブレイザーズはクラッチタイムに勝ち切れないチームとなっているが、この日は別だった。時間のない状況でボールを持ったジェレミー・グラントは、スペースはなくてもマークするフレッド・バンブリート相手に高さのアドバンテージがあると見て、強引に放った3ポイントシュートをバンクに当ててねじ込み、土壇場で同点に追い付いた。
タフに戦うロケッツもこれで根負けし、オーバータイムは常にブレイザーズが先行する展開に。マルコム・ブログドンのプレーメーク、アンファニー・サイモンズとグラントの得点力、ディアンドレ・エイトンのリバウンドとリムプロテクトが噛み合い、この5分間を13-7として最終スコア137-131で競り勝った。
これで12勝31敗。解体に舵を切った今シーズンはなかなか勝てていないが、ここ5試合で3勝を挙げており、一つ前のサンダー戦でも惜しい展開に持ち込むなど、以前より戦えるようになっている印象だ。33得点を挙げたアンファニー・サイモンズは「すべてが上手く行くわけじゃないけど、僕らはまだ発展途上だし、道のりはこの先もまだ長い。ミスがあっても反省して学び、次は違うプレーをするつもりだ」と語る。
グラントの同点3ポイントシュートについてサイモンズは「入ると思った。そして決まったのを見て『今日は勝てる』と思ったよ」と言い、「本当はこんなにハラハラせずに勝ちたいんだけどね」と笑顔を見せた。
そして彼は、何かと批判されがちなエイトンの活躍を強調した。「ディアンドレの真価が見られた試合だったと思う。一人でペイントを任されるのは難しい仕事だけど、上手くやり遂げた。彼が身体を張ることで僕らが助かっている部分も大きい」
エイトンは18得点17リバウンド3アシスト1スティール2ブロックと活躍。延長の残り10秒、ブログドンのシュートがリムに嫌われたところをタップで押し込んだプレーを、指揮官チャウンシー・ビラップスも称えている。「エイトンのあのプレーに助けられた。彼がカバーしていなかったら4点差で相手にポゼッションが行き、可能性を与えてしまうところだった」
サイモンズも言う。「今日の彼は自分の仕事を高いレベルで最後までやり通した。僕らも今日の彼のように自信を持って戦い続けなきゃいけない。僕たちが望む位置にたどり着くには、毎試合でそうならなきゃいけない」