今シーズンは36試合中32試合出場、攻守に存在感を発揮
クリッパーズは現地1月10日、カワイ・レナードと契約延長に合意したことを発表した。3年総額1億5240万ドル(約230億円)で、プレーヤーオプションなどはなく2026-27シーズンまで契約が保証される。
リーグ最高の2ウェイプレーヤーの呼び声が高いカワイは、ケガに苦しめられてきた選手でもある。スパーズ時代はケガからの復帰時期を巡ってチームと意見が合わず、そこから関係が悪化して退団することに。ラプターズで自身2度目のNBA優勝を勝ち取った2019年にフリーエージェントとなってクリッパーズに加入したが、その時点で半月板断裂の手術を終えたばかりで、2021年には膝の十字靭帯を部分断裂して2021-22シーズンは全休している。
それでも今シーズン、カワイは完全復活を印象付けるパフォーマンスを見せている。ここまで36試合を消化した中で、カワイが欠場したのは4試合のみ。すべて股関節の痛みによるもので、彼を長らく苦しめてきた古傷とは関係ない。バック・トゥ・バック(2日連続の試合)も難なくこなせるようになっている。
今シーズンのクリッパーズは開幕当初こそ、ジェームズ・ハーデンの加入に伴う混乱があって負けがかさんだが、12月以降は15勝3敗と絶好調。この間の3敗のうち2敗はカワイが欠場した試合で、スター選手が揃うチームにおいても、その影響力は非常に大きなものとなっている。
これまでカワイの契約は、最終年となる来シーズンがプレーヤーオプションだった。それはポール・ジョージも同じで、クリッパーズは近いうちにジョージとも延長契約を結ぶと見られている。カワイもジョージも最大で4年2億2300万ドル(約340億円)の契約延長が可能で、32歳のカワイがある程度の譲歩したことで、33歳のジョージも同じような選択をするだろう。契約最終年を迎えている34歳のハーデンもまた、ある程度の譲歩とともにクリッパーズに残る公算が高い。
クリッパーズは来シーズンから新たな本拠地となる『インテュイット・ドーム』を使用する。最新のアリーナにカワイを始めとするスター選手が揃う、豪華なスタートとなりそうだ。ただその前に、健康なカワイとともに今シーズンに勝負をかけたいところ。
今シーズンの西カンファレンスはこれまでとは異なる様相を呈している。レイカーズ、ウォリアーズ、サンズが下位に低迷し、上位に食い込むティンバーウルブズやサンダー、キングスはプレーオフの経験が足りない。前年王者であるナゲッツは強力なライバルであるにせよ、クリッパーズにとっては大きなチャンスとなっている。新たな契約を得たカワイが今まで以上にチームを引っ張り、クリッパーズに初優勝をもたらすことができるだろうか。