福岡第一

チームハイの18得点を挙げた世戸「秀斗を信じ続けてプレーしていました」

ウインターカップ男子準々決勝、福岡第一vs東山は終盤に崎濱秀斗がタフショットを次々と沈め74-71の逆転勝利を収めた。

それでも試合の主導権を終始握っていたのは東山だった。エースの瀬川琉久がゲームハイの32得点を挙げたように、福岡第一の包囲網を次々と突破。キャプテンの佐藤友も得意のランニングプレーや身体を張ったインサイドプレーで瀬川に次ぐ15得点を挙げる。さらには福岡第一のお株を奪うような、堅い守備からの速攻を繰り出し、第3クォーター終了時点で10点をリードした。

一方の福岡第一はエースの崎濱秀斗のシュートに当たりが来ず、山口瑛司も瞼の上をカットし止血のためにベンチに下がるなど苦しい時間が続いた。残り3分、佐藤に決められて60-70。ここから試合が動く。ディフェンスの強度を高め、前線から仕掛けて、崎濱がスティールに成功。これをセカンドチャンスに繋げると、再び瀬川からターンオーバーを誘発。核とするディフェンスがハマったことで勢いに乗ると、ここから崎濱が覚醒する。残り2分からプルアップシュートを連続で沈めると、2点ビハインドで迎えた残り27秒には、タフなプルアップスリーをねじ込み、土壇場で逆転した。直後のポゼッションを守り切り、森田空翔の速攻に繋げて勝負アリとなった。

福岡第一の中で最も長くコートに立ち、リーディングスコアラーになった世戸陸翔は試合終了直後に泣き崩れた。それはもちろん歓喜の涙で「明日もバスケできることがとても幸せです」と笑った。「前半から苦しい展開で最終クォーターもキツかったんですけど、最初から最後まで声を出して、みんなで支え合ったことで勝てました」

また、試合を決めた崎濱のことを最後まで信じていたと語った。「秀斗を信じ続けてプレーしていたので、シュートが入って良かったです。前半は入っていなかったですけど、最終クォーターに挽回してくれたのでさすがです。シンプルにすごいと思いました」

東山の大澤徹也コーチはこのように敗因を分析した。「入りが良かった分、後半にジリジリと行かれた時に嫌な雰囲気はしたんです。ファウルで切ったりいろいろできる、タイムアウトも残っていたので、なんとかできる算段だったんですけど。瀬川のところがハードワークで必要以上に消耗してしまって、うまく機能しなかった。あとは崎濱君を褒めるべきで、エースの意地ですね」

劣勢を覆した福岡第一は明日、開志国際を2点差で破った藤枝明誠と決勝をかけて対戦する。