渡邊雄太

写真=Getty Images

最後までもつれる接戦での勝利に間違いなく貢献

グリズリーズの渡邊雄太が、2月5日にフェデックス・フォーラムで行われたティンバーウルブズ戦に出場した。キャリア最長となる18分45秒のプレーで、自己最多に並ぶ5得点、キャリアハイの4リバウンドを記録。チームは第4クォーター残り0.1秒にジャスティン・ホリデーのフリースローで勝ち越し、108-106で勝利した。

日本から観戦に訪れた両親が見守る中、渡邊には第1クォーターから出場機会が与えられた。残り4分14秒、グリズリーズが25-6でリードする状況でコートに入った渡邊はオフェンシブリバウンドを記録。第2クォーターは残り2分34秒から出場すると、ジョシュ・オコーギーのミスショットからリバウンドを拾い、自らボールを運んでジャンプシュートを放ったが、バックボードに嫌われた。

前半はディフェンスでの貢献が目立った渡邊は、チームがリードを13点(83-70)に広げた第3クォーター残り3分51秒からもコートに送り出される。ダリオ・シャリッチに競り勝ってディフェンシブリバウンドを記録すると、残り40秒にはマイク・コンリーからのパスをペイント内で受け取りフローターを狙ったが、これも決まらない。

それでも同クォーター終了直前に3ポイントシュートを放った渡邊のハイライトは、第4クォーターに訪れる。クォーターをまたいでプレーを続けた渡邊は、右ウィングからコンリーとの連携を披露。コンリーからのロブをゴール付近で受け取ると、アリウープ・レイアップを成功させ、この日初得点をマークした。

その約1分半後の残り9分22秒、今度はジョシュバーンからのパスを右コーナーで受け取り、NBAキャリア2本目の3ポイントシュートを成功させる。流れの中からの見事な得点、そしてチームのリードを9点(92-83)に広げたプレーにホームのファンも沸き、渡邊も静かに拳を握った。残り8分5秒にお役御免でコートを退いたが、2点差という接戦の勝利に間違いなく貢献した。

この日は負傷者が3選手、そしてトレード発表が間近と見られるマルク・ガソルが欠場したため9選手しか出場できなかったとはいえ、起用された時間帯はいずれもチームがリードしていた場面で、第4クォーターの競った展開でも使われた。また、3ポイントシュートを決めた後で欠場したジョアキム・ノアたちから歓迎された場面からも、チームに溶け込んでいる様子が伝わる。

チームは難しい状況にあるが、だからこそ渡邊のような新戦力の台頭は大きな力になる。