リーグ屈指の強力オフェンスを封じ、名古屋D相手の連敗を6でストップ
アルバルク東京が12月23日、ホームで名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦。持ち味の強度の高いディフェンスを継続することで、リーグ屈指の破壊力を誇る名古屋Dのオフェンスを抑え込み83-68で快勝した。
試合の立ち上がり、名古屋Dはトランジションからレイアップへと持ち込むが決めきれず、逆にA東京がオープンショットをしっかり決めることで先行する。だが、名古屋Dがジョシュア・スミスのペイントアタックを中心としたセカンドユニットの奮闘で19-19と盛り返して第1クォーターを終える。
第2クォーターも互角の展開が続くが、A東京は終盤にかけて安藤周人が連続で3ポイントシュートを沈めて抜け出し、前半を8点リードで折り返すと、その勢いは第3クォーターに入っても止まらない。引き続き堅守で名古屋Dにタフショットを多く打たせてシュートミスを誘うと、このクォーターだけで7つのオフェンスリバウンドを記録。リーグ1位のオフェンスリバウンドを誇る名古屋Dのお株を奪う分厚いオフェンスで得点を重ねて突き放した。そして第4クォーターも盤石の試合運びを見せるA東京は、残り7分53秒に小酒部泰暉が3ポイントシュートを沈めてリードを20点に。余裕を持って逃げ切り、名古屋D相手の連敗を6で止めた。
A東京の安藤は、後半に大量リードの展開もあってプレータイムは19分44秒にとどまったが、3ポイントシュート8本中4本成功の14得点6リバウンドと活躍。そして、堅守を一番の勝因に挙げた。「名古屋Dもフルメンバーではないですが、60点台に抑えたのが今日の勝因だと思います。前半はちょっとオフェンスリバウンドとターンオーバーからの失点が多かったですが、後半はそこを修正して自分たちの流れに持ってくることができました。明日も同じような展開を作れたらと思います」
エースシューターが見せる矜持「大事な場面で決め切れる力を大切にしたいです」
そして、3ポイントシュート4本成功とエースシューターの責任を果たした自身のプレーについて聞くと、本数と共に、いつ決めるのか、内容への強いこだわりを見せる。「試合を通して成功率は50%でしたが、序盤に3本連続で落としてしまいました。最初に決めるか、決めないかで試合の展開は大分変わってくると思います。シュートを決めるタイミングは重要です。4本の内、2本は前半でリードを広げる場面でした。大事な場面で決め切れる力を大切にしたいです」
冒頭で紹介したように、この勝利でA東京は名古屋D相手の連敗を6で止めた。名古屋Dから移籍でA東京に加入した安藤にとっては、5試合目で古巣相手の初勝利となる。「(連敗は)めちゃくちゃ気にしていました」と明かす安藤は、連敗ストップで胸のつかえが取れたと共に同一カード連勝へと気持ちをすぐに切り替えている。
「大差ではなく、接戦で負けてばかりだったので、だからこそ自分の中でモヤモヤする部分はあり、なんとしても勝ちたかったです。今日の勝ちでモヤモヤが晴れたところはあります。ただ、今日勝ったからいいのではなく、明日も勝ってこそ自分の成長に繋がります。明日しっかりとチーム全員で戦えたらと思います」
A東京はこれでリーグ最速の20勝到達となった。12月3日、6日と今シーズン初の連敗を喫すると、13日に行われた天皇杯の3次ラウンドで長崎ヴェルカに敗れるなど、負けが続いた時期もあったが、12月16日、17日と長崎相手に連勝するなどすぐに立て直した。
「広島、群馬に連敗した時はディフェンスが崩壊していました。また、それまでリードしていた展開ばかりで、いざ相手にリードされた時、どうしたらいいのか確立されていなかったです。連敗した後、チームでしっかり話し合い、やるべきことを明確にすることができたのが、今の流れに繋がっていると思います」
このように振り返る安藤は、徹底したコミュニケーションが修正力の高さを支えていると続ける。「コーチがわかりやすく説明してくれますし、選手間では去年よりも各々が言いたいいことを言い合えています。首位を走っている中で勝ち続けないといけないプレッシャーはありますが、それでも毎試合、自分たちのベストを出すために何が必要なのか話し合っていて、それを試合で見せることができているのが今の強みだと思います」
A東京がリーグ随一のタレント集団であることは衆目の一致するところだ。しかし、その傑出したタレント力に依存することなく、各選手がチームで戦うことを何よりも大切にし、腹を割って議論を重ねてケミストリーを高めている。A東京にとって、この結束力こそが一番の強みとなっている。