写真=Getty Images

エースの戦線復帰で接戦をモノにしたウォリアーズが敵地で王手。

プレーオフのファーストラウンド、ロケッツとの第4戦で負傷して以来、欠場が続いていたウォリアーズのエース、ステファン・カリー。この試合もスターティングメンバーに彼の名前がないまま試合が始まった。

前回は敵地で敗戦を喫したウォリアーズ。この試合でもスタートから相手に圧倒され、開始6分で2-16のランを決められて出鼻をくじかれる。この流れを変えるべく、スティーブ・カーはカリーをコートに送り出す。試合勘が戻っていないせいか、3ポイントシュートはことごとくリングに弾かれたが、エースの復帰をきっかけにチームはリズムを取り戻し、どうにか18-26というスコアで第1クオーターを終えた。

第2クォーターに入ると、両チームともにシュートの成功率が上がり点の取り合いとなった。残り1分36秒、ウォリアーズにアクシデントが襲う。ファストブレイクからダンクを決めたショーン・リビングストンが、シュートの際に頭への接触があったにもかかわらずノーファウルというジャッジの審判に抗議し、テクニカルファウル2回で退場処分となってしまったのだ。シーズンを通していぶし銀の活躍を見せてきたリビングストンの退場は大きな痛手となり、ウォリアーズは57-67と10点のビハインドを背負い前半を終えた。

それでも後半に入ると、ウォリアーズはディフェンスが機能し始め、ブレイザーズの勢いを止める。その間にクレイ・トンプソンとドレイモンド・グリーンの3ポイントでじわじわと点差を詰めていく。残り3分47秒、カリーのアシストからトンプソンの3ポイントシュートが決まり、この試合で初めてとなるリードを奪うことに成功。そこからは互いが好守を見せて得点が伸びず、ウォリアーズの1点リードで第3クォーターを終えた。

第4クォーターは一進一退の攻防。ウォリアーズがグリーンやマリース・スぺイツのシュートで得点を重ねれば、ブレイザーズもC・Jマッカラムやデイミアン・リラードを中心に応戦。実に8分間、3点差以内の「つばぜり合い」を繰り広げていた。

ウォリアーズが3点のビハインドで迎えた残り51秒、ハリソン・バーンズが3ポイントシュートを決めて111-111の同点に追い付く。ブレイザーズは20秒タイムアウトを取って、最後となるであろうセットオフェンスの指示を伝える。ボールを託されたリラードがピックアンドロールから3ポイントを放つが、これは決まらず。

リバウンドを取ったグリーンはすかさずタイムアウトを要求。今度はウォリアーズが最後の攻撃をエースのカリーに託すが、ドライブからのスクープショットはリングに弾かれ、グリーンがティップを試みたが決まらずそのままタイムアップとなった。

こうして迎えたオーバータイム。突如としてカリーが本来の輝きを取り戻す。それまではプレーにケガの影響を感じさせていたウォリアーズのエースが、ケガ以前の好調時のプレーを取り戻し、ゴールを量産。ブレイザーズもリラードを中心に追いすがるが、17得点の固め打ちを前には成す術もなかった。

カリー、リラード両エースの成績は40得点と36得点、3ポイントの成功率もカリーが16本中5本に対しリラードが18本中5本と遜色ない数字だが、オーバータイムに17得点を固めたカリーのクラッチシューターとしての能力が勝利をもぎ取る形となった。
これで対戦成績を3勝1敗とし、西カンファレンス決勝へ王手をかけたウォリアーズ。逆にホームで敗戦となったブレイザーズは、崖っぷちの戦いとなるが、最強王者相手に光明を見いだせるだろうか。


5月9日の試合結果
ラプターズ 87 94 ヒート