トレイ・ヤング

写真=Getty Images

「5年、10年後は自分の方が優れた選手になっている」

ジェイソン・テイタム、ドノバン・ミッチェルらを輩出した2017年のドラフト組に続いて、2018年のドラフト組も逸材が多く、『豊作年』と呼ばれている。その中でも比較されがちなのは、ホークスのトレイ・ヤングと、マーベリックスのルカ・ドンチッチだ。それには、ドラ
フト当日のトレードも関係している。

ドンチッチは全体3位でホークスから指名され、ヤングは全体5位でマブスから指名されたのだが、両チームの思惑が重なり、直後のトレードで現在のチームに所属する運びとなった。プレースタイルも、サイズも異なるものの、この経緯から比較されることが多いドンチッチについて、ヤングは『ESPN』の番組に出演した際、「ルカに関する話は、どうしたって聞こえてくる。彼はここまで素晴らしいシーズンを送っているね。それは、自分にも当てはまる。僕は、とにかく自分のプレー、チームについてだけ集中している。言うのは簡単だろうけれど、本当に毎日必死になってチームメートのために努力している」とコメント。また「(ドラフト当日のトレードは)両チームにとって上手く行ったと思うよ」と続けた。

「僕はそう思っている。ルカは非常に良いシーズンを送っているけれど、僕だって本当に良いシーズンを送れている」

ドンチッチは、欧州のタイトルをほぼ総なめにした昨シーズンのインパクトそのままのパフォーマンスを続けている。NBA史上2番目の若さでトリプル・ダブルを記録したかと思えば、1月27日のラプターズ戦ではNBA史上初となる10代での30得点超えトリプル・ダブル、史上初の10代での複数回トリプル・ダブル、そして史上最年少での30得点超えトリプル・ダブルを成し遂げるなど、ヤングら同期を上回るインパクトを残している。

ヤングも、新人選手では1位の平均7.3アシストに加えて、同2位の16.4得点を記録し、1年目からホークスのレギュラーの座を掴んだ。ドンチッチに対するリスペクトが感じられる受け答えをしていたヤングだが、アスリートとしてのプライドものぞかせた。

番組内で、現役時代にレイカーズで3度の優勝を果たし、引退後にはホーネッツ、キャバリアーズ、レイカーズで指揮を執ったバイロン・スコットから、「5年、あるいは10年後、どちらがより優れた選手になっていると思う?」と聞かれたヤングは、「質問にすらならない。自分だね」と即答。「自分の血には競争心が流れているからね。だから考えるまでもないことさ」

ホークスもマブスも再建途中のチームだ。2人の比較は、チームを東西の強豪に返り咲かせた後でも、遅くはない。