「KDとカイリーがチームを去った時、僕の名前は地図から消えたようなものだった」

ネッツのニコラス・クラクストンは、NBA4年目の昨シーズンに大きな飛躍を遂げた。キャリアで初めてシーズンを通してコートに立ち続け、キャリアハイとなる平均29.9分出場、12.6得点、9.2リバウンド、2.5ブロックというスタッツを挙げた。特にブロックは、ジャレン・ジャクソンJrの3.0に次ぐリーグ2位の好成績だった。

この素晴らしいパフォーマンスにより、クラクストンは昨シーズンのオールNBAディフェンシブチームに自身が選出されると信じていた。しかし、ファーストチームだけでなく、セカンドチームにも彼の名前はなかった。

「(選ばれなくて)血の気が引いてしまった」とクラクストンは当時の絶望感を振り返る。そしてケビン・デュラント、カイリー・アービングの2大スターがシーズン途中に移籍すると、自身がまったく注目されなくなったと語る。「KDとカイリーがチームを去った時、僕の名前は地図から消えたようなものだった。ディフェンシブチームに選ばれる機会が奪われてしまった。僕の成績は素晴らしかったけどね」

だがクラクストンは、このやりきれない思いを「間違いなくモチベーションになっている」と奮起の材料にして今シーズンに臨む。「僕は今も成長を続けている。このリーグでチームのために、自分がどんな選手かつディフェンダーであるべきかを、みんなと自分自身に証明する準備はできている」

ネッツのジャック・ボーンヘッドコーチは、「毎年、彼は良くなっている」とクラクストンを評し、さらなる進化に期待を寄せる。「今回、彼はこれまでで最高のオフシーズンを過ごしたと思う。彼がチームのために素晴らしい活躍をし、いくつかの賞で候補に上がればいいね」

デュラント、アービングが移籍したことで、゙ネッツは久しぶりにコート外の雑音がない状態でシーズンを迎える。良くも悪くも今の状況でクラクストンが注目されるのは、チームを勝利に導く活躍を続けられた場合のみだろう。それを実行し、ネッツが上位争いに加わることができれば、シーズン終了後にクラクストンは自身が臨む栄誉を獲得できているはずだ。