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昨年とは違いビッグ3がしっかり実力を発揮、キャブスに死角なし?

5月8日、フィリップス・アリーナで行なわれたキャバリアーズvsホークスの東カンファレンス・プレーオフ準決勝第4戦は、ケビン・ラブが15本中8本の3ポイントシュートを含む27得点13リバウンド、レブロン・ジェームズが21得点10リバウンド9アシストというトリプル・ダブル級の活躍を見せ、キャブズが100-99で勝利。2年連続のカンファレンス決勝進出を果たした。

4連勝で東の決勝進出を目指すキャブズに対し、もう1敗もできないホークス。試合は意地と意地がぶつかり合う激しいものとなった。

56-58でハーフタイムを迎えたキャブズは、第3クォーターに今シリーズを通じて好調な3ポイントシュートで活路を見いだす。第3クォーター残り10分13秒にジェームズが3ポイントシュートを決めると、続けてラブがジェームズのアシストから3本連続して3ポイントシュートを成功させ、チームに勢いを与えた。

ここまで簡単にシュートを決められてはキャブズが大量リードという展開になっていても不思議ではなかったが、ホークスも引き下がらない。劣勢に立たされたチームを支えたのは控えガードのデニス・シュローダーだった。4点ビハインド(77-81)で迎えた第4クォーター開始から、ドイツ出身の小兵ガードがランニング・レイアップ、3ポイントシュート、ドライブからのレイアップを連続して決めてチームの息を吹き返させると、そこからデッドヒートが続く。

残り1分16秒からジェームズがレイアップとフェイダウェイ・ジャンプシュートを決め、100-97にリードを広げたキャブズに対し、ホークスは残り34.4秒、シュローダーが果敢なドライブからレイアップをねじ込み、1点差に迫る。

ジェームズが3ポイントライン手前からのシュートを外すと、シュローダーが再びアタック。ファウルを得ようとペイント内に侵入したまでは良かったものの、ジェームズとボールを奪い合う形となってしまい、審判は残り2.8秒にジャンプボールの判定を下す。

203センチのジェームズと、185センチのシュローダーというミスマッチでは、優劣は明らか。このポゼッションを守ったキャブズが1点リードを守り切った。キャブスはこれで2年続けてプレーオフでホークスをスウィープ。カンファレンス決勝では、ヒートvsラプターズの勝者と対戦することとなった。

レブロン・ジェームズはチームの出来に大きな手応えを感じているようだ。

結果だけを見れば、昨年と同様に勝ち上がり続けているキャブズだが、チームを取り巻く状況は大きく異なる。

セルティックスと対戦した昨年の1回戦では、ラブが肩を痛めて戦線離脱。カイリー・アービングもヒザの負傷を抱えたまま強行出場を続け、結果的にウォリアーズとのファイナル第1戦で膝蓋骨を骨折する重傷を負った。

しかし、今年はジェームズを含むビッグ3が万全の状態を保ったままカンファレンス決勝まで駒を進めている。チームスタッツを見ても1年前とは雲泥の差だ。

昨年はプレーオフを通じて孤軍奮闘を強いられたジェームズが平均得点、平均リバウンド、平均アシスト、平均スティールでチーム最高の数字を残したのに対し、今年はカンファレンス準決勝を終えた時点で、チーム最多得点はアービングの24.9、最多リバウンドはラブの12.4と、活躍すべき主力がきっちり数字を残している。

カンファレンス決勝で対戦するのが今シーズン2位のラプターズであれ、盟友ドゥエイン・ウェイドのヒートであれ、戦力でもケミストリーでも昨年を上回る今のキャブズに死角は見当たらない。