ポール・ジョージ「すべてを注ぎ込んでいる」
NBAでは、スター選手を同じ試合で2人以上休ませることができないよう新たな規定を設けようとしている。この規定の導入で注目されるのはクリッパーズのカワイ・レナードとポール・ジョージだ。どちらも大ケガを経験したスター選手で、クリッパーズにとってはプレーオフで2人揃って健康であることが優勝の絶対条件となる。特にカワイは厄介なケガが原因でスパーズを離れて以降、無理を避ける傾向にある。
このルールの導入をカワイが快く受け止めているはずがない。シーズン始動の会見でこの規定について質問されると、表情を変えないまま「僕は負荷管理のために休むような選手じゃない。僕はプレーできればプレーする。そのために毎日トレーニングしているんだ」と語った。
ラプターズ時代はバック・トゥ・バック(2日連続の試合)の両方に出場することは一度もなかった。カワイはその時は負荷管理をしていたことを認めたが、「それはケガから復帰したばかりのシーズンだったからだ。もし僕がラプターズでやっていたことをリーグが批判したいのなら、それはおかしい。僕はその1年間、ずっとケガを押してプレーしていた」と語り、「リーグがどんな規定を作ろうとも、僕がより多くの試合に出ることにはならない」と続けた。
同じくポール・ジョージも、昨シーズンは3月に膝を痛めて戦線離脱。プレーオフで勝ち進めば復帰の可能性もあると言われていたが、「現実的に考えて復帰できるわけがなかった」と明かした。「コートに立ち、練習することはできる。でも、たとえチームがNBAファイナルに進んでいたとしても、僕がプレーできる可能性はゼロだった。シーズンを軽視していると見られるのは気分の良いものじゃない。僕らは練習も試合も真剣にやっている。それを疑うのか? 僕たちはすべてを注ぎ込んでいるというのに?」
ジョージはこう続ける。「バスケに対して手を抜くことはないよ。僕らは優勝したい。そのためには仕事にプライドを持つ必要がある。シーズンの最後に後悔するようなことはしない」
カワイとジョージのコンビ結成から4年が経過したが、2人揃って健康なままプレーオフを迎えたことはない。ジョージは33歳に、カワイは32歳になり、もう若くはなくなった。レギュラーシーズンの試合を軽視している、バスケに全力で向き合っていないと見なされるのは不本意だろうが、裏を返せばそれは彼らにレギュラーシーズンの82試合とプレーオフを最後まで戦い抜く持久力がないということになる。
いずれにしても、勝てていないことで彼らは不本意な汚名を着ることになった。その不名誉は来るべき2023-24シーズンに優勝という結果を出してそそぐしかない。カワイは優勝への思いをこう語る。「僕はすべてのシーズンで優勝したい。誰が何を言っていようと僕は気にしない。ただ自分の目標にフォーカスするだけさ」
2023 Media Day is a wrap 📷 pic.twitter.com/WwtZ7YOPUb
— LA Clippers (@LAClippers) October 2, 2023