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100ポゼッションでの平均得点でジョーダンの1年目を超える

2014年のドラフト3位指名を受けながらも、度重なるケガでNBAデビューまで2年の月日を要したセブンティシクサーズのジョエル・エンビード。苦労を乗り越えて実質的なデビューを果たした今シーズン、新人王はおろかキャリア初のオールスター出場も視野に入る大活躍を見せている。

チーム内でもその存在はすでに大黒柱と呼ぶべきもので、得点(19.7)、リバウンド(7.7)、ブロック(2.4)で最多の数字を残している。

レギュラーシーズン序盤は、ケガの再発を恐れたフロント側からプレータイムを25分前後に制限されていたが、12月中旬からは30分近くプレーするまでに。まだ2日続けての試合では休養を挟む起用法を強いられているものの、それでも出場した直近9試合連続で20得点1ブロック以上をマーク。『Stat Muse』によれば、1年目の選手で9試合連続20得点1ブロック以上という数字は、1997-98シーズンのティム・ダンカン以来のことだという。

スパーズのレジェンドに匹敵するスタッツを残しているエンビードのすごさは、これだけではない。『Basketball Reference』によれば、1年目の選手による100回のポゼッションでの平均得点では、1973-74シーズン以降最多の38.5得点を記録。これは『神様』マイケル・ジョーダンが同じ条件で1年目に残した35.5得点をも大きく上回る数字だ。

これらのスタッツだけでNBA屈指のビッグマンと呼べるのだが、やはり特筆すべきは出場時間に制限がある状態で達成していること。しかも、エンビードが優れている点は、単に個人スタッツを残しているだけではなく、チームの勝利に繋がる活躍であることだ。

エンビードが出場した直近7試合で、シクサーズは6勝1敗と大きく勝ち越している。シーズン全体での戦績は13勝26敗と振るわないが、2016年のドラフト1位選手であるベン・シモンズがフィットすれば、来シーズンからシクサーズは一気にプレーオフ・コンテンダーへと上り詰めるかもしれない。

長らく低迷していたシクサーズだが、ようやく明るい兆しが見えてきた。

今年引退したスパーズのレジェンド、ティム・ダンカン。彼のようなレジェンドになるには、スタッツで肩を並べるだけでなく、チームを勝利に導くことが求められる。