ヤニス・アデトクンボ

攻守に安定した一流ガードだが、高額契約を提示するには年齢面が懸念材料に

ヤニス・アデトクンボは2013年のNBA入りからバックス一筋。現在の契約は2025-26シーズンがプレーヤーオプションでの最終年となっており、今シーズンを含めて少なくともあと2年間はバックスの顔であり続ける。もちろん球団首脳陣、そしてミルウォーキーのファンは、アデトクンボがこのままバックスの選手としてキャリアを終えることを望んでいる。

アデトクンボ本人もミルウォーキーへの深い愛着からその意思を持っているが、常に優勝を狙える環境も重要視しており、8月下旬に公開された『New York Times』のインタビューでは、バックスが再建期に入った場合は移籍する可能性があることを示唆した。

そんな中、『ESPN』のボビー・マークス氏は、アデトクンボの決断に大きな判断を与える要因としてドリュー・ホリデーの去就を挙げている。ホリデーの契約は2024-25シーズンがプレイヤーオプションとなっており、アデトクンボよりも1年早いタイミングでフリーエージェントになる。『NBA Radio on Sirius XM』に出演したマークス氏は、このように語る。「ドリュー・ホリデーに何が起こるかは、(アデトクンボの去就における)Xファクターとして注目している。ホリデーは来年の2月22日から契約延長が可能となり、来シーズンにフリーエージェントとなる可能性がある。もし、ホリデーを失うことがあれば、ミルウォーキーは大きなトラブルに陥るだろう」

33歳のホリデーは2020-21シーズンにバックスに加入し、先発ポイントガードとしてNBA制覇に大きく貢献した。その後も中心選手として活躍を続け、昨シーズンも67試合出場で平均19.3得点、7.4アシスト、5.1リバウンドを記録。さらに自身3度目となるオールディフェンスチームのファーストチームに選出され、守備面でも頼りになる一流ガードだ。ただ、スモールマーケットで、サラリーキャップを大きく超過できるような財政的余裕がないバックスにおいて、ホリデーの年齢を鑑みた上で現在の4年1️億3,500万ドル(約200億円)と同等規模の金額を提示するのは簡単なことではない。ただ、ホリデーを失い、彼と同レベルの選手を補強できない場合は、アデトクンボの気持ちが移籍へと一気に傾くことになる。

まだ、先のことかと思われたアデトクンボの去就を巡る騒動だが、場合によっては早くも来夏には大きな転換期を迎えるかもしれない。