「自分ができる小さなことで、人生を大きく変えられることがある」
グリズリーズのジャ・モラントは、圧倒的な身体能力を生かした得点力とゲームメイクで、NBAを代表する司令塔になれるポテンシャルを秘めた選手だ。しかし、残念ながら昨シーズン後半戦以降は、コート外での問題行動の数々により『トラブルメイカー』の烙印を押されてしまっている。
昨シーズン終盤、モラントは米デンバーのナイトクラブで拳銃を所持していることを示す動画をライブ配信し、大きな騒動に発展。リーグから8試合の出場停止処分を受けた。それでも本人に反省の色はなかったようで、オフシーズンに入ってからも友人が投稿したドライブ動画に、再び拳銃を持つ姿が映り込んでしまった。この愚行が原因となり、モラントは開幕から25試合の出場停止処分を課せられている。
もちろん一連の出来事はモラントに非がある。その一方で、銃犯罪が深刻なアメリカにおいて安易に銃を見せつける行為が大きな批判を浴びることは明白なのに、それを止めないどころかSNSで動画を拡散してしまう友人たちや取り巻きの対応にも問題があるだろう。
だが、モラントの父であるティー・モラントは、息子に情状酌量の余地はないと強調する。ニューオリンズの有望な高校選手たちを対象にした『Up Next Elite Camp』の参加者に、ティーはこう語った。
「息子は、彼の周りの人のせいで問題を起こしているのではない。彼は自分の決断によってトラブルに巻き込まれている」
「自分ができる小さなことで、人生を大きく変えられることがある。人生について話していると、感情的になってしまうね。ただ、みんなには正しい決断をしてほしいんだ」
ティーはグリズリーズの試合を観戦する姿が何度もメディアで取り上げられるほど、息子を熱心に応援している。彼は息子を溺愛しているからこそ更生することを願い、あえて厳しい言葉を投げかけているのだ。