クリスタプス・ポルジンギス

キャリア8年で得た自信「常に進化し、成長している」

セルティックスへの移籍が決まったクリスタプス・ポルジンギスが、入団会見を行った。同じ日にサンズの選手として初めて口を開いたブラッドリー・ビールが「難しい決断だった」と語ったのとは対照的に、それでも同じように晴れやかな門出の笑顔で、ポルジンギスは「セルティックスのような歴史あるクラブ、そしてハイレベルなチームでプレーできるんだから、僕にとってはすごく簡単な決断だった」と話した。

ポルジンギスは2015年の1巡目4位でニックスに指名されてから、NBAで8シーズンを過ごしている。最初の2年間は良かったが、その後はチーム力が乏しい割にプレッシャーはどこよりも強いニックスで苦戦し、膝に大ケガを負い、マーベリックスでの2年半はその影響を残したままプレーして、昨シーズンにウィザーズでようやく本来のパフォーマンスを取り戻した。

昨シーズンは65試合に出場し、23.2得点はキャリアハイで、8.4リバウンドと2.7アシストもそれに近い数字。222cmの長身で腕も長く、リムプロテクターとしての守備だけでなくピック&ロールに対するディフェンスも得意で、スタッツ以上の働きができる。ケガで長らく評価を落としていたが、セルティックスは『復活』を確信して獲得に動いた。

「バスケ選手として、今が一番良い時期にあると思う」とポルジンギスは自信を持って語る。「身体的にもそうだし、精神的にも違うレベルに達したと思う。ここまでの努力が報われたよ。どうすればもっと効率良くプレーできるか、自分のプレーを見つめ直した。そして良いコンディションを維持する努力が実を結んだ。時間はかかったけどね」

「経験を積んで自分自身を知ることで、物事は噛み合うようになる。21歳の頃の僕は本当にバカだったから(笑)。それが25歳になり、27歳になって、今振り返るから分かることがある。常に進化し、成長している。30歳になった時には、今よりずっと良い選手になっているはずだから、楽しみだよ」

トレードが決まった1週間前、彼はラトビアに帰国しており、移籍のニュースを夜中にチェックしていたそうだ。一度はマルコム・ブログドンを放出する3チーム間トレードが決まったと報じられたが、ブログドンのケガを懸念した相手チームが降りたために一度は破談に。朝4時にポルジンギスはようやく眠りにつき、目を覚ましてトレードが成立したことを知った。セルティックスはブログドンの代わりに、チームの象徴であるマーカス・スマートを放出している。セルティックスがそこまで自分を評価したことが、彼のモチベーションになっているのは間違いない。

マブスではルカ・ドンチッチと、ウィザーズではブラッドリー・ビールとプレーしたポルジンギスは、新天地でジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンと競演することになる。「僕はこの2人を助けるためにこのチームに来た。僕のスキルと身体能力は、彼らの負担を軽減することができると思う。それに、ウィザーズでビールと一緒にプレーしていた時と同じで相手ディフェンスの注意が2人に集中するから、僕がオフェンスでオープンになることもあるだろう。ケミストリーを築くまでには少し時間が必要かもしれないけど、僕らは良い組み合わせになると思う」

「ここに来て思うのは、僕はプレーオフでの経験に乏しいということだ。これまで何度もチャンスを逃してきたからね。実績を残しているわけじゃないから、プレーオフでどこまでやれるかは分からない。でもチームのために全力を尽くすつもりだ。レギュラーシーズンでリズムをつかみ、ケミストリーを築く。それがプレーオフに繋がると思っているよ」