バンケロをエースに据えるつもりだったイタリア代表はショック
8月25日に開幕するワールドカップは、フィリピン、日本、インドネシアの3カ国による共催となる。アメリカ代表はフィリピンラウンドに登場する。すでに何人かの選手の代表参加が内定したとリークされていたが、どうやらその顔ぶれがほぼ固まったようだ。
『The Athletic』はパオロ・バンケロがアメリカ代表に参加することで合意したと報じた。これで参加に同意したとして名前が挙がった選手は以下の通りとなる。
ジェイレン・ブランソン
タイリース・ハリバートン
ミケル・ブリッジス
オースティン・リーブス
ブランドン・イングラム
アンソニー・エドワーズ
ボビー・ポーティス
ジャレン・ジャクソンJr.
キャム・ジョンソン
パオロ・バンケロ
ウォーカー・ケスラー
バンケロのチームUSA入りにショックを隠せないのがイタリア代表の関係者だ。バンケロはイタリア系アメリカ人の父マリオと、アフリカ系アメリカ人でWNBAプレーヤーだった母ロンダの下に生まれ、高校までシアトルで過ごした。バンケロ自身にイタリアで生活したことはないが、自分のルーツであるイタリアへの愛着は強く、アメリカのアンダーカテゴリーの代表が彼に興味を示さなかったことも重なり、2018年当時の代表ヘッドコーチの勧誘を受けてイタリア代表でプレーしたいと明言し、実際にイタリアのパスポートも取得している。
ただ、この時に彼が想定していた2020年の東京オリンピックは新型コロナウイルスの影響で1年延期となった。2020年秋の予選に出場する予定もあったが、これもコロナで試合がなくなった。ここでイタリア代表デビューを果たしていれば、アメリカに鞍替えすることはなきなかったのだから、イタリアバスケ関係者の嘆きは大きい。
その後、バンケロはデューク大のスター選手となり、昨年のドラフトで全体1位指名を受けた。今シーズンはルーキーながらマジックのエースとして活躍し、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞。そしてチームUSAのユニフォームを着ることになる。
2022年の東京オリンピック、昨年のユーロバスケットで2大会連続のベスト8進出と、ジャンマルコ・ポッチェッコ率いるイタリア代表は上り調子にある。ここでバンケロが加われば非常に大きな戦力アップだったのだが、その可能性は潰えてしまったようだ。