「今回、優勝には届かなかったけど僕は幸運だ」
今年のNBAプレーオフ、第8シードから破竹の勢いでファイナルまで到達したヒートだったが、攻守で隙のないナゲッツに総合力に屈し1勝4敗で散った。
ヒートの躍進を牽引したのはジミー・バトラーだ。特にファーストラウンドのバックス戦では5試合で平均37.6得点、6.0リバウンド、4.8アシストの大暴れで第1シードの優勝候補を4勝1敗で撃破する立役者となった。だが、続くニックスとのカンファレンスセミファイナル第1戦の終盤に足首を負傷してしまった。第2戦を欠場後、第3戦からずっと休みなしでプレーを続けるタフさ、『プレーオフ・ジミー』の愛称通りの勝負強さは健在だったが、ファイナルではファーストラウンドのような爆発力を見せることはできず、5試合で平均21.6得点、6.4アシスト、4.6リバウンドに留まった。
勝負に『たられば』を持ちだしたらキリはない。だが、もしバトラーの足首が問題なければと思うファンもいるだろう。それでも、バトラーはファイナル第5戦の終了後、足首の影響について聞かれると「ゼロ」と言い切った。「僕の足首は問題ない。僕たちは勝てなかった。そこに言い訳はないよ。彼らが僕たちを打ち破っただけだ」
バトラーは今シーズンがヒート4年目。初年度の2020年に次ぐ2度目のファイナル出場だったが、前回に続き頂点まであと一歩のところで敗れてしまった。ただ、それでもこの4シーズンの道のりに満足感もある。「優れたチームメートが僕と一緒に戦うためにこのチームに来て、優勝を争う機会を与えてくれている。この4年間は素晴らしいモノだ。常に愛され、求められ、評価されている。この状況が変わることはないと思う。この場にいられることに感謝している。今回、優勝には届かなかったけど僕は幸運だ」
そして、自身初のNBA優勝にかける熱量が落ちることはない。「僕たちはチャンピオンになると、今でも自分のすべてをかけて信じている」
毎度の事だが、オフシーズンになるとヒートはフリーエージェント市場でスター選手の獲得に動くのではという憶測が飛び交う。ただ、どんなメンバーになったとしても、バトラーがチームの要であることは変わらないだろう。