ジミー・バトラー

第8シードからの快進撃、ジェイレン・ブランソンが引っ張るニックスを撃破

ヒートはレギュラーシーズンこそ歯車が噛み合わずに苦しい思いばかりしてきたが、プレーイン・トーナメントを勝ち上がり、第8シードからバックス、ニックスを撃破してカンファレンスファイナルへと駒を進めた。

3勝2敗で迎えたニックスとの第6戦、序盤はジェイレン・ブランソンとジュリアス・ランドルを軸にチームオフェンスを組み立て、良いシュートチャンスを作り出すニックスが早々に最大14点リードと優位に立った。ヒートは持ち前の闘志溢れるプレーで押し返して前半の最後に逆転。それでも後半はリードこそ保つも突き放せない戦いを強いられた。

終盤まで接戦が続き、我慢と集中力の勝負となったが、これこそヒートの得意分野。ニックスも精神的なほころびを見せずに食らい付いたが、ヒートはほとんどの時間帯で2ポゼッション差のリードを保ち、1ポゼッション差に詰め寄られても動じることなく踏ん張り続けた。

ニックスはブランソンが獅子奮迅の働きで41得点を記録したものの、2点差まで迫った最後の攻めでシュートチャンスを作り出せず、ターンオーバーを喫して万事休す。昨シーズンはマーベリックスでルカ・ドンチッチの2番手だったブランソンは、ニックスに来て『チームの顔』としての責任を全うしたが、昨シーズンのカンファレンスファイナル進出の再現は果たせなかった。

すべてのポゼッションが息詰まる攻防となった好勝負をヒートが96-92で制した。ヒートを率いるエリック・スポールストラは「このリーグでは1勝を挙げるのが難しいし、プレーオフではなお難しくなる。カンファレンスファイナル進出は本当に難しいことだ。みんなこの位置を目指して戦っている中で、我々がここまで来れたことに感謝したい」と語る。

ただ、ヒートの面々に達成感はない。ジミー・バトラーは24得点8リバウンド4アシスト、効率の良いプレー選択ができたとは言えないシーンも多々あったが、全身全霊でチームを引っ張り、シリーズ突破へと導いた。その彼は開口一番、「ゴールまであと8つだ。ハードに戦い続けた仲間たち全員を誇りに思う」と語った。

激しく粘り強く戦い続けるヒート。第8シードから快進撃を続けた彼らは、カンファレンスファイナルでセルティックスとセブンティシクサーズの勝者と戦う。