八村塁

アンソニー・デイビスが不発、レイカーズは敗れて1勝1敗に

レイカーズはプレーオフの初戦でグリズリーズに快勝したが、現地4月19日の第2戦では一転して苦戦を強いられ、93-103で敗れた。

グリズリーズは初戦で手首を痛めたジャ・モラントが欠場。それでも代役のタイアス・ジョーンズが速いテンポで試合を作り、グリズリーズの持ち味であるインテンシティの高さを引き出して優位に立つ。レイカーズは立ち上がりからアンソニー・デイビスがブロック連発、レブロン・ジェームズの連続得点でスタートするも、その後はグリズリーズの勢いに押されることになった。

流れが悪いと見たレイカーズは開始6分すぎと早いタイミングで八村塁を投入。第1戦では29得点と勝利の立役者になった八村は、すぐにミドルジャンパーを決めて相手のランを8-0で止めると、速攻からの右コーナーを沈める。素早いパスワークでチームがお膳立てしたチャンスをきっちり決めて、信頼に応えた。

それでも、このパスワークに再現性がないのがレイカーズの苦しいところ。最優秀ディフェンス賞に輝いたジャレン・ジャクソンJr.が、さらにジョン・コンチャーにゼイビアー・ティルマンSr.と相手は変われど常に激しく守られるデイビスのポストプレーが多く、これが得点に繋がらない。エースのデイビスをリズムに乗せるのは大事だが、ポストを使った遅い攻めで、しかも単調。デイビスは前半でフィールドゴール9本中成功わずか1本、試合を通じて13得点の大ブレーキとなった。

早い攻めに持ち込めずにズレを作れない状況で、八村はフリースローで、ルーク・ケナードとのミスマッチを突くシュートで得点を繋ぐ。ディフェンスでもゴール下でジャクソンJr.にしぶとく寄せてシュートを落とさせたり、ケナードの速攻を遅らせてレブロンのチェイスダウンブロックを間に合わせたりと奮闘するがいずれも単発で、グリズリーズ優位の流れを変えるには至らない。前半を終えて45-59、八村は9得点を奪うもコートに立っていた15分間の得失点差はマイナス10と、良いパフォーマンスが結果に反映されないもどかしい前半となった。

第3クォーター残り5分半で再び投入された八村は、前半以上にアグレッシブにプレーし、ゴール下に3ポイントシュート、フリースローと多彩な攻めで得点を重ねていく。デイビス不在の時間帯、ジャクソンJr.にマークされながら追い上げの中心となった。

その八村を終盤も下げずにプレーさせ続けるも、レブロンとデイビスと同時にコートに立つと、2人のエースを中心とした攻めが構築されるために八村はコーナーステイするだけの状況が増え、プレータイムは伸びても八村で攻めるシーンは減っていった。

インテンシティを高く保つグリズリーズは、その代償として終盤のファウルトラブルに苦しむことに。それでもレイカーズの猛追に6点差まで詰め寄られても精神的に崩れず、リムを攻める積極性、守備の強度を落とさない。残り20秒でレイカーズは主力を下げ、93-103で試合終了となった。

八村はフィールドゴール12本中7本成功の20得点、5リバウンド2アシスト1スティールを記録。グリズリーズが終始ペースを握る試合展開の中で、レイカーズが押し返すきっかけを作った。ベンチスタートながらプレータイムは32分。第3クォーター残り5分半に投入されて、ラスト20秒に勝負をあきらめるまで約17分間下がることなくプレーし続けたのは、『八村を下げるわけにはいかない』という状況を作った結果だ。