ショーン・ロング

同地区で上位のA東京に勝利に「大きな自信になる試合だった」と手応え

3月26日、レバンガ北海道はアウェーでアルバルク東京との第2戦に挑んだ。試合序盤から得点されてもすぐさま取り返す粘り強さを見せると、21点ものセカンドチャンスポイントを奪ったことで73-70の接戦を制した。

北海道は前日の第1戦で、A東京のジャスティン・コブスを起点としたピック&ロールを止められず65-88で敗れたが、第2戦ではディフェンスのマッチアップや守り方を変えたことで、相手の得点を停滞させる。そして、全員で守ったところからゲームハイの25得点を奪ったショーン・ロングのインサイドプレーを中心に得点を重ねた。小野寺龍太郎ヘッドコーチ代行は「非常に良かったと思います」と、チームの得点頭となったロングの活躍を称賛し、次のように続けた。

「昨日はディフェンスのトラブルを気にしてしまい、メンタルが良くないままプレーしていました。ですが、今日はマッチアップを代えたり、彼のところをみんなでカバーできました。オフェンスでは、相手が早い段階でファウルトラブルになっていたので、攻めていこう、ゴールに向かってアタックしていこうと言い続け、ターンオーバーもせずにバランス良くポストでのプレーを遂行してくれました」

指揮官が振り返るように、ロングが試合序盤から強気にアタックを繰り返したことで、マークしていたA東京のセバスチャン・サイズやアレックス・カークらビッグマンのファウルを連続で誘発。こうしてアドバンテージが取れたゴール下で、得点だけでなくリバウンドも7本のオフェンスリバウンドを含む14リバウンドを記録した。ロングは言う。

「相手のファウルトラブルもあったので、オフェンスではしっかりインサイドにボールを集めろという指示がありました。その中で、ダブルチームに来ることも予想できたので、ディフェンスが集まればキックアウトをする、来なければアタックをすることを心掛けました。チーム全体で昨日決め切れなかったシュートを決めることができたことも、この結果に繋がったと思います」

そして、この試合の前までホーム19連勝と圧倒的な力を持つA東京に勝利できたことの意味を話す。「今日は大きな自信になる試合だったと思います。チームとしてもヘッドコーチが変わって考え方も変わって、今まで以上にボールを預けられることも多くなりました。その期待に応えることができたのかなと思いますし、それが結果に繋がっていることはうれしいです。また結果から、自分だけでなくチームが成長していることも感じます」

ショーン・ロング

この勢いをシーズンの最後まで続けるために「今後は安定感が求められてくる」

この試合のロングは、チームの大黒柱としてのプレーを期待されながらも、28分45秒と10分以上ベンチで戦況を見守った。北海道は絶対的得点源の不在により、得点力ダウンが見込まれたが、代わりにゴール下で戦うブロック・モータムやサムソン・フローリングはもちろん、勝負どころで3ポイントシュートを決めた日本人選手の活躍もあってリードを保った。

小野寺ヘッドコーチ代行は、選手起用についてこう話す。「ショーンがいなかったらゲームに勝つことはできません。ただ、選手たちは意図や狙いを攻守ともに理解してくれているので、早くに交代することを分かってくれています。彼らも(交代を)予想しながらプレーしているので、ベンチにいても集中力を保ちながら準備をしてくれていると思います」

そして、その起用法に応えたロングはこう話す。「しっかりベンチから試合を見て、自分がコートに立っていたら何ができるかを考えています。どうやってインサイドアタックをできるか、どこにいたらリバウンドを取れるかなど、常に考えることによって集中力を保っています。そして、ベンチにいると試合に出たい気持ちが高まってくるので、その気持ちをコートに立った時に出すようにしています」

コート内で圧倒的な存在感を示すロングだが、先のコメントでもあった通り、チームとしての姿を気にかけている。それは、リーダーシップを求められているからこその思いだった。「チームからは得点やリバウンドを期待されていますし、そこに自分自身も自信を持っています。それに加えて、もう一つ求められているのがリーダーシップです。他のみんなを高いレベルへ連れて行くことを自分に求められているので、チームのことをいつも心掛けています」

ロングは小野寺ヘッドコーチ代行体制となってから全試合で先発を務め、自身のプレーだけでなくチームワークにも気を掛けるようになった。その効果もあってか、新体制の初戦となった2月11日の宇都宮ブレックス戦以降は連敗なしと、修正力も身についている。着実に向かうべき姿に進みつつある北海道をさらにステップアップさせるために必要なものをロングはこう話した。「今後は安定感が求められてくると思います。自分たちはすごく良い日もあれば、すごく良くない日もあって上下の差が非常に激しいです。勝ち続けるためには、そこを安定させていくことが必要だと思います」