横浜BCが得意とするトランジション封じに成功
3月18日、秋田ノーザンハピネッツと横浜ビー・コルセアーズが対戦した。お互いに第3クォーターまでシュート精度に悩まされるも、第4クォーターの勝負どころでシュートを決め切った秋田が84-80で勝利を収めた。
秋田はトランジションディフェンスを徹底したことで、横浜BCの持ち味であるファストブレイクを抑え込む。また、司令塔の河村勇輝に対してスイッチで対応して隙を与えず、相手にタフショットを強いる。こうして堅守からポゼッションを確保した秋田は、このクォーターだけで相手のターンオーバーから6得点を挙げたように、攻守が連動してリードを得る。中盤には、オフェンスリバウンドを連続で奪われるピンチもあったが、ゴール下のディフェンスを固めたことや横浜BCのフリースローの確率の悪さにも救われ、23-19と秋田がリードして第1クォーターを終えた。
第2クォーター、秋田は3ポイントシュートが11本中2本成功と精彩を欠いたが、このクォーターをフル出場したスティーブ・ザックが4本のオフェンスリバウンドを獲得し、セカンドチャンスポイントで応戦した。ディフェンスでは、横浜BCの3ポイントシュートに対してクローズアウトを徹底したことで1本のみの成功に抑え込む。また、クォーター終盤にセットプレーを連続で成功させる遂行力の高さを見せ、リードを7点に広げて試合を折り返した。
ビハインドを広げられた横浜BCは、ここまで確率が上がってこなかった3ポイントシュートを森川正明と河村が沈めて点差を縮める。また、デビン・オリバーとチャールズ・ジャクソンの連携も冴えわたったことで、ペイント内からも得点に成功。こうして内外問わず得点を重ねた横浜BCはクォーターを跨いでも流れを渡さず、第4クォーター開始1分強に途中出場の松崎裕樹のピック&ロールからパトリック・アウダがゴール下で得点し、この日初のリードを奪う。
ディフェンスの的を絞れずビハインドを背負ってしまった秋田だったが、第3クォーターに強気なアタックでチームを牽引していたベテランの古川孝敏がドライブから得点しリードを奪い返す。また、ここまで3ポイントシュートが6本中0本成功とシュートタッチに苦しんでいたスタントン・キッドがタフな3ポイントシュートを決めて9-0のランに成功。こうして、終盤に攻守が噛み合った秋田は残り2分にこの日最大となる12点のリードを得た。
その後、第4クォーターだけで11点を奪われた河村にディープスリーやフリースローを決められ、残り30秒に1ポゼッション差に追いつかれてしまったが、残り12秒に古川がプルアップを沈めて勝負アリ。秋田が4試合ぶりの白星をつかんだ。
横浜BCは、持ち味であるファストブレイクからの得点がわずか8得点に留まった。青木勇人ヘッドコーチは「秋田さんが素晴らしいパフォーマンスをしたと思います」と秋田を称えながら、次のように振り返った。「秋田さんはトランジションディフェンスにすごく力を入れていることを感じました。ウチの強みであるトランジションからの得点が少なかった。速攻に繋げるためのディフェンスができていなかったことが課題です。明日に向けてもう一度ディフェンスを振り返っていきたいと思います」
第4クォーターに29-28と点の取り合いを制して連敗を3でストップさせた秋田のケビン・ブラスウェルアシスタントコーチは、選手たちの勝利への執念と積極的にシュートを狙う姿勢を称賛した。「バイウィーク期間から良い練習ができていましたが、勝つことだけができていませんでした。今日の試合では練習してきたことが出せてすごく良かったです。シュート成功率が良くない中でもアグレッシブにシュートを打つことができていましたし、勝ちたい気持ちをチーム全員が出せていました。また、ディフェンスの遂行力も勝因になったと思います」