富樫勇樹

文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

全員がハードワークで役割を実行し、名古屋Dを圧倒

千葉ジェッツが敵地ドルフィンズアリーナに乗り込んで名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦。激しいディフェンスからトランジションに繋げる得意のバスケットを遂行し、95-66で完勝した。

千葉が立ち上がりから怒涛の猛攻を仕掛ける。富樫勇樹が日本代表での故障の影響を感じさせずに速い展開を次々と作り出し、ギャビン・エドワーズとマイケル・パーカーを走らせ、クレイグ・ブラッキンズとマーキース・カミングス、名古屋Dのビッグマンを振り回す。その富樫がファストブレイクから放った3ポイントシュートを決め、千葉が開始4分半で16-0と大量リードを奪った。

千葉は前からプレッシャーを掛けて名古屋Dのパスワークを封じ、個人の突破もゴール下でのトラップで阻む。最初の10分で名古屋Dが良い形でシュートを打てたのは第1クォーター最後に満田丈太郎のコーナースリーをチームで演出した場面だったが、26-10で始まった第2クォーター、千葉はセカンドユニットの選手が先発に劣らぬハードワークを見せ、名古屋Dに流れを渡さない。

激しいプレッシャーで動きを封じられてイラついたカミングスがテクニカルファウルをコールされ、点差は早くも20点に。名古屋Dは苦境を打開しようと、3番ポジションでの高さのミスマッチを狙う。張本天傑が原修太を相手に積極的に仕掛けて得点を奪うが、原もスピードのある攻めでやり返す。この時間帯で光ったのは西村文男。カミングスのポストプレーから外に展開するパスを狙ってスティールしたかと思えば、名古屋Dとは対照的にゴール下へ飛び込むジョシュ・ダンカンに次々とパスを通してアシストを記録していく。

ジョシュ・ダンカン

千葉のバスケットにフィットしたダンカンが脅威に

後半になって名古屋Dも対策し、リバウンドから次々とファストブレイクを浴びることはなくなったものの、千葉のディフェンスをどうやっても振りほどけない。千葉はスタメンを戻した第3クォーターの頭から再び10-4のランでリードを広げ、この時点で試合の趨勢を決めてしまった。

69-44と25点リードで迎えた第4クォーター、富樫、石井講祐、アキ・チェンバースと主力を休ませながらも攻守ともにインテンシティを保ち、名古屋Dに付け入る隙を与えなかった。

千葉の連勝はこれで6に。コンディションが懸念された富樫が素晴らしいパフォーマンスを見せたことに加え、22得点を挙げたダンカンがチームにフィットしていることを示したのが大きい。一方の名古屋Dはこの1カ月で2勝5敗と失速。攻守の大黒柱、ジャスティン・バーレルが膝を痛めて欠場した影響は大きく、千葉のバスケットに対応できなかった。